押し付けではなく、理解のための接点を増やす
──カーボンニュートラル自動車保険への反響はいかがですか?
実績としては、実際にオフセットされた方は目標よりも少ない結果です。しかし、事前アンケートでは非常に好意的な回答があり、サイトへのアクセスも5万件以上と多くの方がご覧になっています。興味を持っていただけているので、実際にご利用いただくために何が必要か検討をしているところです。

事前アンケートを通じて感じることは、多くの方々が「何かできないか」と考えている反面で、その機会が少ないことです。ですから、カーボンニュートラル自動車保険のようなアクションを起こせる仕組みのご提供が必要なのだと考えています。
──他にはどのような取り組みがありますか?
たとえば、2022年1月からYouTube上では「Green Music produced by Zurich」を運営しています。癒やし音楽を日本の豊かな自然を感じる映像とともに楽しめるBGMとして配信しており、現在9万人以上の登録者がいらっしゃいます(2023年7月時点)。アプローチの特徴としては、押し付けがましくないことです。どれだけデータを並べて温暖化が進んでいる、水害が10年前と比べて増えていると言っても、地球環境を守る行動をとるための共感を集めることは難しい。正しい接点を用意して、各接点にインセンティブを用意して、その上でしっかりと文脈として理解していただくことが大切です。
YouTubeチャンネルは、若い世代をターゲットに音楽を通して気候変動について気づき、考えていただくことを、カーボンニュートラル自動車保険は、ご自身の運転にかかるCO2排出量を知り、それに対するアクションを起こし、気持ちよくドライブを楽しんでいただくことを目指しています。
長期的に継続していくことが重要
──最後に今後の展望をうかがえますか。
まず、カーボンニュートラル自動車保険については、より多くの方にオフセットを選択していただくには何が必要かを分析して、ブラッシュアップさせていきます。実は、このローンチにあたっては短期で進めたこともあり、予算的にも、バックオフィスがきちんと対応できるようにするためにも、新規の契約者様に限定して開始しました。今後は既存のお客様に対してもこのプログラムを提供していきたいと考えています。
加えて、お取引企業様の中にも環境問題に対して取り組んでいる企業様は多いので、コラボレーションをしていきたいです。
皆さんの意識は飛躍的に変わってきていると感じていますし、今後も変化すると思っています。取り組み自体はまだ始まったばかりですが、しっかり続けていくことが大事だと考えています。