CCCマーケティング総研は、2023年6月の「産業動向レポート」および「産業天気予報」を発表した。
同総研は、CCCマーケティングの有するデータやアセットを基に、生活者の意識調査などを行う機関だ。今回のレポートは、CCCマーケティングが提供する家計簿アプリ「レシーカ」のレシートデータと、同総研の研究員による企業への調査結果を組み合わせて作成。スーパーマーケット、ドラッグストア、コンビニエンスストア、ホームセンター、外食、百貨店、ショッピングセンターの小売7業界における生活者動向と見通しを独自にまとめた。
今回、同総研が注目したのが「レトルト食品」だ。内食分野では、かねてより調理がいかに簡便か、が重視されてきた。その点、ここ数年で目覚ましい進化を遂げているのがレトルト食品だ。今までは“手抜き”を連想させることから主婦層を中心に敬遠される傾向もあったが、最新の包装技術により、調理の手間を省くだけでなく、味や食感も保ちながら温めることができる商品が登場。その心理的な障壁が克服されている。
たとえば、味の素の肉を入れて圧力調理する「スチーミー」は、レンジで温めるだけの簡便さも実現しつつ、調理感を残している点が主婦層などに受け入れられている。業務用の世界で長く活用されてきた「真空調理」をはじめとする新調理の家庭への転用は今後も続くと見られ、この追い風を受けて、レトルト食品市場は今後さらに拡大するだろう。
調理機器の進化も内食の変遷を支えており、家庭で作れるメニューが増加している。「コロナ禍による影響もあり、家庭内での本格的な調理志向は高まったものの、やや内食疲れが出て再び簡便志向が強まっている」と同総研。内食需要が今後も拡大するか否かは、簡便性への対応にかかっているだろう。
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