リサイクルの意識が高まる一方、使い捨てリスクも増加
X(旧Twitter)のソーシャルボイスを分析してみると、2018年から2022年にかけて「ごみ・リサイクル問題」に関する投稿数は増加傾向にあり、SDGsアクションに対する関心が高まっているように見える。
その一方で、ソーシャルボイスの生声に耳を傾けると、「使い捨て×安さ」をプラスにとらえる真逆な投稿の増加が見られた。
具体的には以下のような投稿が散見された。
飽き性だしトレンドもすぐに変わるから、プチプラの服を買ってワンシーズンで使い捨てちゃう。
高い服を大切に使うのは自分には合ってないかも。
このように環境意識は向上している一方でソーシャル上では、プチプラ商品を中心とした長く所有をしないスタイルが増えてきている。使い捨てできる手頃な商品は、「安くて便利!」と重宝されるが、使い捨てしやすく数回着用したら捨ててしまうという声も多く、ごみの増加につながりかねない。
そこで本記事ではリサイクル意識の高まりと相反する「使い捨て×安さ」の消費インサイトを紐解くことで、ごみ削減・SDGsアクションの加速につながるヒントを探っていく。
プチプラファッションから生活者のインサイトを深掘り!
プチプラの中でも若者を中心に購買行動が活発な、ファッションに着目。プチプラファッションの話題量は2018年以降、増加傾向にある。中でもECサイトを起点としたプチプラファッションブランド(以下、新興プチプラEC)のクチコミが急増し、ファッショントレンドをけん引している状況だ。
クチコミを見てみると、豊富な種類でデザイン性が高いことや、骨格タイプや自分の顔タイプで似合う服を紹介するレビューが増加。実際に試着をしなくても似合わせることができるため、ECでの購入が盛んになっている。
新興プチプラECファッションブランドに対するユーザーの声を分析していくことで、使い捨てを加速する恐れのある4つのネガティブインサイトと、使い捨ての防止につながる3ポジティブインサイトが見えてきた。
次項でそれぞれのインサイトを紹介していこう。