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「内輪で議論するよりユーザーの声を聞く」アサヒビールのD2C「THE DRAFTERS」の戦略

アンケートの回答率は40%超えの熱量に

磯山:ローンチから2年、どのような手応えを感じていらっしゃいますか?

株式会社wevnal 代表取締役社長 磯山 博文氏
株式会社wevnal 代表取締役社長 磯山 博文氏

西村:会員さんから「嬉しい」「ありがとう」「期待している」と直接声をいただけたので、「待っていてくれたんだな」という印象です。

 2世代、3世代でTHE DRAFTERSを楽しんでいただいているご家庭もいらっしゃいますし、そういう方たちが継続してくれています。将来的には、成人を迎えた息子や娘とTHE DRAFTERSで乾杯する、「あの時お父さんとTHE DRAFTERSで飲んだスーパードライが忘れられないから、私はスーパードライが大好きなんだ」のようなエピソードも生まれてくるのではないかと信じています。

 「ライフタイムバリュー」というより、「ライフタイムビア」ですよね。美味しいビールで乾杯し続ける関係値を、メーカーと会員が一緒に作り続けたいなと思います。

磯山:LTB(Life Time Beer、ライフタイムビア)、いいですね。

西村:昨今の不安定な世界情勢の中、安心して楽しくコミュニティにいられること自体が非常に重要ですし、メーカーとしてその「場」を提供することは絶対に必要とされてきます。

 我々はそれに応えたいし、それをすることによって会員さんのウェルビーイングにもつながるのではないかと思います。アサヒグループのサステナビリティ戦略の重要な取組の一つとして、「人と人とのつながりの創出による持続可能なコミュニティの実現」を掲げていますが、まさに「アサヒビール、スーパードライが大好きな会員が集まって乾杯する楽しさ」が広がってきています。

 また、よくあるWebアンケートの回答率ってせいぜい10%いけばいいほうだと思いますが、40%程度の回答率が毎回戻ってくるという凄い熱量のコミュニティを形成しています。これは財務諸表では測れないアサヒビールにとって強い無形資産だと感じています。

営業での経験が高い熱量の原点に

磯山:前編の記事を含め、ここまでTHE DRAFTERSの取り組みを聞いてきましたが、西村さんを中心にメンバーの方のサービスに対する熱量が高いと感じました。西村さんのその熱量は、一体どこから来るんですか。

西村:営業マン時代に量販店さんを回っていて、酒売り場以外の方と仲良くなるのが得意だったんです。そうやって自分のファンになってもらうことで、アサヒビールにも好感を持ってもらえますし、魚や肉売り場とのクロスマーチャンダイジングの企画もやりやすくなるんですよ。

 たとえば、仲良くなった水産チームの方々と一緒に、土用の丑の日の企画をすることがありました。その時は、「西村がおもしろい企画をやっている」ということで、上司が当時の支社長を連れて売り場の様子を見に来たのですが、私は店の入り口でうなぎを焼くのを手伝っていましたので、上司は声をかけずに店を出たそうです(笑)。もちろん、弊社のビールが入口の催事や水産、酒売り場などあちらこちらに置かれている状態を作ってもらっていて。

磯山:ファンになってしまうのもわかります。その頃からすごい熱量ですね。

西村:そういう小さな積み重ねが、自社の商品を選んでもらえることにつながるのだと、そこで学びました。「誰から買うか」って非常に重要なんですよね。

 D2Cのサービスを始めた今でも、我々事務局メンバーの個性を出したコミュニケーションを心がけているのは、営業での経験が原点になっています。

磯山:「この人から買いたい」と思ってもらえる人間でありたいというのがうかがえます。

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現在に安住せず新たなチャレンジを

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この記事の著者

磯山 博文(イソヤマ ヒロブミ)

株式会社wevnal 代表取締役

 2008年大手インターネット企業に新卒で入社し、メディアレップ事業、新規事業開発に携わる。2011年4月に株式会社 wevnal を創業し、LTV最大化を実現するBXプラットフォーム「BOTCHAN」を展開。累計導入社数は600社を超える。

 12期目を迎えた20...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/10/02 07:30 https://markezine.jp/article/detail/43563

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