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MarkeZine Day 2023 Autumn

丸亀製麺のマーケティングモデルを公開|感性×データの両立を支えるMMM活用、試行6年でたどり着いた形

 「食の感動で、この星を満たせ。」のスローガンのもと、全社一丸となって顧客体験価値の向上に取り組んでいる丸亀製麺。同社は、6年前から「MMM(マーケティング・ミックス・モデリング)」を取り入れて、あらゆる施策の効果をMMMにより可視化している。感性とデータをどう両立させるのか、MarkeZine Day 2023 Autumnに登壇したトリドールホールディングスの南雲氏が解説した。

すべての源泉は「感動」である

 顧客は集めるものではなく創るものである。KANDO(感動)こそが顧客を創造する源泉価値であり、人は強く心を動かされた時に行動(購買)をする――こう言い切るのは、丸亀製麺のマーケティングを統括する南雲克明氏だ。

株式会社トリドールホールディングス 執行役員 CMO 兼 KANDOコミュニケーション本部 兼株式会社丸亀製麺 取締役 マーケティング本部長 南雲克明氏
株式会社トリドールホールディングス 執行役員 CMO 兼 KANDOコミュニケーション本部 兼株式会社丸亀製麺 取締役 マーケティング本部長 南雲克明氏

 丸亀製麺は、「食の感動で、この星を満たせ。」のスローガンのもと、全社で“感動の創造”を徹底。丸亀製麺に限らず、トリドールが手掛けるすべての店舗は、“本物感”と一貫したストーリーを軸に、店舗内の動線から厨房の設計・配置、照明、席数、内装に至る細部までこだわり抜かれている。2022年にインターブランドジャパンの「顧客体験価値(CX)ランキング」で1位を獲得しているが、これもうなずける結果だ。

 そんな丸亀製麺が展開する「KANDOドリブンマーケティング」には、次の3つのキーワードがあるという。

1.KANDO(感動):顧客体験価値の源泉であり、最重要項目。

2.非合理の強さの追求=二律両立:事前合理性のない非合理の強さ(=感動)を信じ追求することが重要。非合理なほど参入障壁が高くなり、結果、独自の市場価値創造と構造的優位の構築につながる。

3.感性とデータの両立:データから感動は生まれず、感性だけでは再現性がない。両方を組みせたマーケティング戦略・戦術が必要。

感性×データサイエンスの二律両立

 スローガンの「食の感動で、この星を満たせ」は、ミッション、ビジョン、ストラテジー、マーケティング、哲学のすべてに結びつくよう設計されている。

丸亀製麺の企業理念と戦略
丸亀製麺の企業理念と戦略

 意思決定には感動が優先されるが、先に挙げた3つのキーワードにある通り、再現性をもって合理的にKANDOドリブンマーケティングを実行していくためには、一見相反することを二律両立させていかなければならない。具体的には、短期の成長×中長期の成長、感性×データサイエンスの2軸の掛け合わせが、KANDOドリブンマーケティングの根底にあるという。

KANDOドリブンマーケティングの根底にある2軸
KANDOドリブンマーケティングの根底にある2本の軸

 また、持続的に選ばれる確率を高めるためには左脳と右脳へのアプローチも両立させる必要があると南雲氏は話す。左脳へのアプローチが選ばれる理由を理性的に創り、右脳へのアプローチが選ばれる衝動を直感的に創るというわけだ。

 KANDOドリブンマーケティングは、ブランドやマーケターの想いだけで成り立っているのではない。「KANDO」「感性」の裏には、データに基づいたロジカルなマーケティングがある。

丸亀製麺のマーケティング戦略
丸亀製麺のマーケティング戦略

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この記事の著者

西原 小晴(ニシハラ コハル)

 京都府立大学農学部出身。前職は大手印刷会社にて化学物質管理のシステム開発&管理者。退職後、化学・建設・環境法規制などの知識を活かして大手企業のライティングを行う。現在はリードナーチャリング、セールスライティングをメインとするマーケターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/10/11 09:00 https://markezine.jp/article/detail/43636

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