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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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ピックアップ!業界最新動向

資生堂、ユーグレナを経て新天地へ 工藤さんに聞いたキャリアのこと、マネジメントのこと

自分の興味と力の活用余地はどこにある?

 ユーグレナでは気候変動や途上国の栄養不足、健康寿命の延伸など、様々な社会課題と向き合いました。いずれも非常に切実な課題だと思う一方「自分が最も力を発揮できる社会課題は何か」を考えるようになったんです。

 たまたま女性に生まれてキャリアを重ねる中で、自分らしさを見出せずに苦しんだことがありましたし、ライフステージの変化にともないキャリアで悩む後輩とも数多く出会いました。そこで「自分らしく心地良く生きていける人を増やすこと」に自身の興味と力の活用余地があるのではないか?そう考えたのです。DE&Iのような取り組みに近いかもしれません。

 その課題を解決したいと思った矢先に離乳食無料提供の告知が炎上したため、大きなショックを受けました。ただ同時に「社会に存在する様々な課題が表出した」とも感じて。自分らしく心地良く生きていける人を増やすことへの決意をさらに強くした結果、スープストックトーキョーへの参画を決めたのです。

──部門長を務める価値づくりユニットでは、具体的にどのような業務・ミッションを担うのでしょうか?

 当社には「店舗営業ユニット」「経営管理ユニット」「価値づくりユニット」の3部署しかありません。そのため、価値づくりユニットではブランディングから顧客とのコミュニケーション、ものづくりまで幅広く担当します。既にブランドが認知されているため、私自身がゼロイチで何かを起こすと言うよりは、25年間愛されているブランドの価値に磨きをかけ、よりエクステンションしていくための戦略をリードしていくつもりです。また取締役を兼任しているため、経営全般にもコミットします。

工藤さんが経営にも踏み込むワケ

──マーケティングだけでなく、経営にも関わるのはなぜですか?

 ブランドが人によって成り立つものだからです。マーケティングをワークさせたり、ブランドを強くしたりするためには働く人の存在が不可欠ですよね。ユーグレナではマーケティング部門を立ち上げましたが、結局は組織や仕組みに手を入れなければマーケティングがワークしないのだと強く実感し、経営に回ったのです。

──工藤さんは資生堂、ユーグレナ、スープストックと、異なる業種で一貫してマーケティング・ブランディングに携わっていらっしゃいます。各社で得られた示唆や、培われたスキルを教えてください。

 資生堂ではマーケティングの基礎を徹底的に学びました。私がマーケティング部に在籍していた当時、現代表取締役会長の魚谷雅彦さんが資生堂の社長に就任されたんです。外資系企業出身の社長によって、科学的なマーケティングのエッセンスが社内に取り入れられる局面を目の当たりにしました。その少し前にMBAを取得する目的で経営大学院に通い始めていたため、学びと実践のチャンスが重なったことは幸運だったと思います。

 ユーグレナでの仕事は覚悟を要するものでした。ベンチャー企業ということもあり「自分の判断で経営が揺らぐかもしれない」というプレッシャーと常に隣り合わせだったからです。そのようにタフな環境で、私は手段に制限がないことを学びました。たとえばマーケティングをよりワークさせるために、ユーグレナではマーケターがM&Aや資金調達にも踏み込んで考えるわけです。目的達成に必要な資源を得るためには、あらゆる手段を検討する。「事を成すってこういうことだよな」と気付きました。

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最年少リーダーとして直面した壁

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この記事の著者

渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)

1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/04/17 20:43 https://markezine.jp/article/detail/43713

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