大局を読める力を身に付けよ
──デジタルマーケティングの領域にいるマーケターは、自身の価値を高めるために、どのようなことを意識すればよいと思われますか?
先に申し上げたとおり、データを一つずつ分析し即時性をもって最適化するという部分は、AIが非常に得意とする分野です。ですが、その分析結果や傾向を一歩引いて観察し、抽象化して大きな流れを読むというのは、現状やはり人間でないと難しいと思います。大局を読む、全体をデザインするといったことは、これまでと変わらず、いえ今まで以上に大事になってくるのではないでしょうか。
加えて、AIは何を得意とするのか、AIがどのような挙動をするのかを知り、そのために必要なベストな環境構築を行うことが、AIを活用し効率化を図っていく上である程度必要になってくると思います。何も、デジタルマーケターがみんなAIの開発ができるほどのエンジニアリングスキルを持つ必要はないのです。AIを最大限に活用するために必要な知識が一定レベルあればよいので、AIをベースに開発されているツールやソリューションに興味を持ち、アンテナを張っておくとよいかもしれません。
先ほど申し上げたMetaのAI研究機関FAIRのHPでは、先進的なAI基礎研究も含め様々な情報を提供していますので、ご興味のある方はぜひ一度見ていただければと思います。

Facebook Japan 執行役員 営業本部長 鈴木大海氏
AOL、オーバーチュア、ヤフージャパンを経て、2009年よりアマゾンジャパンにてアソシエイトプログラム事業を統括。2011年よりCRITEOにて Managing Directorとして日本の責任者を務める。2020年現在、Metaの執行役員としてCommerce領域全般の営業部門執行役員として統括。