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『MarkeZine』(雑誌)

第107号(2024年11月号)
特集「進むAI活用、その影響とは?」

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【特集】本格AI時代到来 広告・マーケティング業界の行方

ChatGPTで話題沸騰となった2023年、今日までに見定めたAI活用のリアルな現在地

 「AIで変わる仕事、変わらない仕事」というテーマで、業界の3人の有識者に話を聞いている本企画。3人目は、ニューバランスでマーケティングを統括している鈴木健さんにお話を聞きました。自社のデータをいかに蓄積・分析し、アウトプットしていくかという点でのAI活用について、事業主の立場からお話しいただきました。

※本記事は、2023年10月刊行の『MarkeZine』(雑誌)94号に掲載したものです

株式会社ニューバランスジャパン
マーケティング部 ディレクター 鈴木健氏

1991年に広告代理店の営業からキャリアをスタートし、2002年ナイキジャパン入社。ナイキゴルフの広告、Web、PRを担当。2009年ニューバランスジャパン入社。ブランドマネジメント、PR、広告などマーケティング全般に幅広く携わる。本業の傍らで、「一般社団法人マーケターキャリア協会」のフェローとしても活動中。

事業で活用するには高い壁があることを痛感した2023年前半

──鈴木さんは、ChatGPTをはじめとしたAIに関する急速な進展をどのように見られていますか?

 特に今年の前半は、ソーシャル上もAI関連の話題で持ち切りでしたよね。私は、アドバタイザーズ協会のデジタルマーケティング研究機構で委員を務めているのですが、委員会でも何度かAIに関する話題が議論のテーマとして挙がりました。AIがもたらす影響についてどう考えているのか、みなさんに話をうかがった形です。どんな影響があるのかハッキリわからないというのは、脅威と言えば脅威ですよね。

 ただ、その頃はAI急成長・急浸透の流れはさらに加速していくのだろうと思っていたのですが、実際はそうでもありませんでした。当時と比較すると落ち着いた感じがあるので、ジャーナリスティックな盛り上がりもあったのかなと思っています。

──事業主の立場から、AIの活用についてどう考えていますか?

 先ほど触れた委員会の中で、様々な考えを聞いたのですが、やはり簡単に活用が普及するツールではないのかなと感じています。パナソニックコネクトのように社員にツールとしてAIを提供しているケース(※)もあって、実際に「便利に使っている」という声も聞いたので、ChatGPTがExcelなどのソフトウェアのように普及する可能性もゼロではありません。一方で、機密性のある重要なデータをChatGPTに学習させられないという規制がある企業も多く、「データを蓄積できないから全然使えない」という声も聞きました。

 新しいソフトウェアのような形でツールとして標準装備されるのかと思いきや、クローズドな環境を構築しなければ本当に使えるものにならないということがこの1年でわかってきた感じですね。クローズドに使える環境を構築するとなると、それを実現可能な企業は現時点ではかなり限られてきます。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/10/27 09:30 https://markezine.jp/article/detail/43863

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