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『MarkeZine』(雑誌)

第107号(2024年11月号)
特集「進むAI活用、その影響とは?」

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【特集】本格AI時代到来 広告・マーケティング業界の行方

生成系AIで検索連動型広告はどう変わる? プラットフォーマーとマーケターの現在地

 画面上に質問すれば、望む回答が文章で得られる──「ChatGPT」をはじめとする生成系AIにより、ユーザーの検索体験に新しい風が吹き込んだ。このことは、検索エンジンの使われ方や検索連動型広告にどのような影響をもたらすのだろうか。本特集では広告プラットフォームの動向に詳しいアタラの杉原氏を取材し、問いの答えを探ってきた。

※本記事は、2023年10月刊行の『MarkeZine』(雑誌)94号に掲載したものです

検索連動型広告は消滅しない

──巷では「生成系AIの台頭によって検索連動型広告が消滅する」などと言われていますが、なぜこのような言説が流布しているのでしょうか?

 2023年2月、Microsoftが「Bing」に次世代言語モデル「Prometheus(プロメテウス)」を搭載しました。Googleが生成系AIによる検索体験「Search Generative Experience(以下、SGE)」の試験運用を日本で開始したのは同年8月です。

アタラ合同会社 CEO 杉原剛(すぎはら・ごう)氏 KDDI、インテルでコンサルティング営業、マーケティングに従事。オーバーチュア(現LINEヤフー)、Googleの広告営業戦略立案に携わった後、アタラ合同会社を創業し代表を務める。クライアント企業のデジタルマーケティングのインハウス化、BIツールを使ったデータ活用の自走化を実現する。黎明期からプラットフォーマーの動向を分析し、書籍、講演も多数。
アタラ合同会社 CEO 杉原剛(すぎはら・ごう)氏
KDDI、インテルでコンサルティング営業、マーケティングに従事。オーバーチュア(現LINEヤフー)、Googleの広告営業戦略立案に携わった後、アタラ合同会社を創業し代表を務める。クライアント企業のデジタルマーケティングのインハウス化、BIツールを使ったデータ活用の自走化を実現する。黎明期からプラットフォーマーの動向を分析し、書籍、講演も多数。

 「ChatGPT」然り、生成系AIを活用するとユーザーは対話形式で望む答えにたどり着くことができます。BingやSGEのインターフェースを見て「検索行動がそこで完結してしまうのでは」「検索回数が減って広告のインプレッションが減ってしまうのでは」などの不安を覚えた人が、極端な言い方をしているのだと考えます。

──本当に検索連動型広告が消滅する可能性はあるのでしょうか?

 それはあり得ません。なぜなら、検索エンジンを提供する大手プラットフォーマーの収益源が検索連動型広告だからです。「すべての検索クエリに対して生成系AIで答えを返そう」とまではMicrosoftもGoogleも考えていないでしょう。一部の関係者が過剰反応しているだけだと思います。

──生成系AIの搭載によって、Google検索やBingではどのようなことが実現可能となったのでしょうか?

 SGEは新機能体験プログラム「Search Labs」に登録すれば利用できます。たとえば「ハワイ旅行 おすすめは?」と投げかけてみてください。「おすすめの旅行時期」や「おすすめのレストラン」など、こちらが知りたいと思いそうな項目がサジェストされるはずです。「たしかにこんなことが知りたかった」と思いながら特定の項目をクリックすると、直前の回答を踏まえてさらに細かい粒度の項目がサジェストされます。そのようにして検索結果が絞り込まれていった結果、ドンピシャの回答が提示される。非常に楽ですよね。

 Microsoftアカウントがあれば、いくつかのサンプルクエリでAI検索を体験することができます。検索窓に質問を入力すると、検索結果画面の右側部分に生成系AIの回答が表示されます。回答の一部がクリッカブルになっており、Prometheusが教師データとして参照したであろうWebサイトに遷移するような仕様です。

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この記事の著者

渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)

1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/10/20 09:30 https://markezine.jp/article/detail/43807

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