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【特集】本格AI時代到来 広告・マーケティング業界の行方

AIで広告クリエイティブの制作はどう変わる?サイバーエージェントに聞く、変化と未来

 サイバーエージェントは、2017年にAIクリエイティブDivを立ち上げ、広告クリエイティブの効果予測や自動生成の研究開発を進め、2020年からは効果予測AIで広告効果を最大化する「極予測AI」をはじめとするサービスを展開している。AIが台頭する広告業界において、クリエイティブ制作の現場にはどのような潮流が生まれ、デザイナーの役割はどう変化するのか。同社のAI事業本部 AIクリエイティブDiv統括 毛利真崇氏に聞いた。

※本記事は、2023年10月刊行の『MarkeZine』(雑誌)94号に掲載したものです

AIはクリエイターの能力を拡張する

──サイバーエージェントの広告クリエイティブ制作におけるこれまでのAI活用の流れと、現在の戦略や方針をうかがえますか。

 当社は7年前、AI事業本部にAIクリエイティブDivという組織を立ち上げ、広告クリエイティブにおけるAI活用を進めています。当初は広告効果を予測する目的で、「効果予測AI」を用いた「極予測」シリーズの展開が始まりました。当初から一貫して「クリエイターの能力を拡張する」という方針を掲げています。デザイナーやクリエイターの一人あたりの制作量を増やせるような、広告コピー自動生成など様々な機能を開発しています。

 実際にデザイナー一人あたりが制作可能なクリエイティブの本数は大幅に増加しています。もちろん闇雲に量産すればいいわけではありませんが、効果予測の機能によって、効果が高いクリエイティブが生まれる確率も上がっています。

株式会社サイバーエージェント AI事業本部 AIクリエイティブDiv統括 毛利真崇(もうり・まさたか)氏 広告代理事業の営業に従事した後、セントラルアカウントデザイン室を立ち上げる。2017年にAIクリエイティブDivを立ち上げ、AIや3DCGを活用した広告クリエイティブの効果予測や自動生成の研究開発のビジネス開発責任者・統括として従事。
株式会社サイバーエージェント AI事業本部 AIクリエイティブDiv統括
毛利真崇(もうり・まさたか)氏

広告代理事業の営業に従事した後、セントラルアカウントデザイン室を立ち上げる。2017年にAIクリエイティブDivを立ち上げ、AIや3DCGを活用した広告クリエイティブの効果予測や自動生成の研究開発のビジネス開発責任者・統括として従事。

──効果を予測するAIとクリエイティブを生成するAI、2種類のAIは御社でそれぞれどのように進化し、組み合わさってきたのでしょうか?

 大きな区別では2種類ですが、一口に生成AIと言ってもテキストや動画、静止画といったクリエイティブの種類によって、様々なAI技術を用いています。効果予測のAIも同様です。テキストを扱う言語処理や画像処理、動画の音声処理など、多様な技術を組み合わせて実現しています。

──そうしたAIの進化を経て、クリエイティブの制作過程は以前と比べてどのように変化しましたか?

 以前は「こういうクリエイティブを作ろう」と事前に決めて作成していたのですが、予測AIによりデザイナーが「予測しながら作る」ことが可能になりました。ここが誤解されやすいポイントなのですが、予測AIは、完成したクリエイティブだけの効果を予測するものではありません。

 たとえばバナー広告なら、そこに載せる要素は商品の画像がいいのか、それとも人物のほうがいいのか、実写かイラストのどちらがいいのか……あらゆる選択肢があります。その中から最適な要素を組み合わせて作るわけですが、その要素を選ぶ段階で、効果を予測するのです。5パターンの画像のうち、どれが最も効果が出そうか。さらにその画像に載せるコピー5パターンのうち最適なものはどれか、と予測します。

 つまり、各選択にAIを活用するため作り始めるときに完成形がわからないのです。「ある商品のバナーを作る」ということだけが決まっていて、どんな画像でどういうコピーになるのかは、予測しながら徐々に解像度が上がっていきます。そのため、都度お客様に見せていたラフ画や校正のプロセスが減り、制作のスピードも速くなっています。

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この記事の著者

岡田 果子(オカダ カコ)

IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/04/25 08:59 https://markezine.jp/article/detail/43839

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