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「欲望(Desire)」で紐解く、消費者の今と未来

Z世代とミレニアル世代はリアルイベントに何を期待する?調査結果から見えた「イベント体験価値」の世代差

イベントに期待する体験価値(欲求)から見える、Z世代とM世代の違い

分析方法の紹介:コレスポンデンス分析とは

 ここまで説明してきたように、もともと持っている11欲望やリアルイベントの参加実態において、Z世代とミレニアル世代にはいくつかのポイントで差が見られました。こうした世代差がより鮮やかに示されたのが、どのようなイベントに魅力を感じるかを分析するための設問です。

 今回の調査では「非日常な空間・体験に没入できるイベント」「ひと足先に新製品・新サービスに触れられるイベント」といった15のイベントを提示し、各イベントについての魅力度を聞きました。提示したイベントと、魅力度(TOP2の割合)の結果を【表1】に示します。

 魅力を感じたイベントついては、その理由をDDDの43欲求から選んでもらいました。そして、各イベントとそれに期待する体験価値(欲求)との関連を『コレスポンデンス分析』という手法で分析しました。

【表1】提示した15種類のイベントと魅力度TOP2注:数値は各イベントについて、「魅力を感じる」「まあ魅力を感じる」「どちらでもない」「あまり魅力を感じない」「魅力を感じない」の5段階で評価してもらった、TOP2の割合(%)。全体(n=4,000)の平均でソートしてある。
【表1】提示した15種類のイベントと魅力度TOP2
注:数値は各イベントについて、「魅力を感じる」「まあ魅力を感じる」「どちらでもない」「あまり魅力を感じない」「魅力を感じない」の5段階で評価してもらった、TOP2の割合(%)。全体(n=4,000)の平均でソートしてある。

 『コレスポンデンス分析』とは、2つの要素間の関連性を、4象限のマップ上にプロットすることで、視覚的に把握しやすくする分析手法です。2つの要素がどのようにプロットされたかで、縦軸と横軸、そして4象限が意味するものを解釈します。コレスポンデンス分析の詳細については、こちらの解説もご参照ください。

分析の結果:イベントに求める「興奮&享楽」も、Z世代とM世代では実態が異なる

 続いて、魅力を感じたイベントとその理由(そのイベントで満たされそうな欲求)の関連について、【図3】でZ世代、【図4】でミレニアル世代の結果を紹介します。

 最初に、プロットされた43欲求から、縦軸と横軸を解釈してみましょう。おおまかに見ると、Z世代・ミレニアル世代ともに、上の方には「興奮&享楽」、下の方には「保身&安全」に分類される欲求がプロットされているようです。また、左側には「探求&創造」、右側には「健康&平穏」「自由&安楽」関連の欲求が置かれている印象です。

<タップして拡大>【図3】Z世代 リアルイベントと「魅力を感じた理由(満たしたい欲望)」の関連
<タップして拡大>【図3】Z世代 リアルイベントと「魅力を感じた理由(満たしたい欲求)」の関連
<タップして拡大>【図3】Z世代 リアルイベントと「魅力を感じた理由(満たしたい欲望)」の関連
<タップして拡大>【図4】ミレニアル世代 リアルイベントと「魅力を感じた理由(満たしたい欲求)」の関連

 ただ、それぞれの図をよく見てみると、Z世代とミレニアル世代では、43欲求の配置がかなり異なっていることがわかります。たとえば、Z世代では縦軸の上方に「没頭&収集」の「没頭」に関連する欲求も位置しており、「興奮したい」「感動したい」と「はまりたい・没頭したい」が近い位置にあることがわかります。

 一方ミレニアル世代では、「興奮したい」「遊びたい・笑いたい」のほかに、「みんなで盛り上がりたい・共感したい」「仲良くなりたい・つながりを大切にしたい」もプロットされています。

 この結果ひとつとっても、リアルイベントで「興奮&享楽」欲望の充足を期待する際に、Z世代は「自分自身が没頭できる」実感をともなうことを重視し、ミレニアル世代は「他者と興奮を共有する」ことを重視する傾向がある、という違いが浮かび上がってきます。

ポイント解説

リアルイベントで「興奮&享楽」欲望の充足を期待する際、Z世代は「自分自身が没頭できる」実感をともなうことを重視し、ミレニアル世代は「他者と興奮を共有する」ことを重視する傾向がある

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期待する体験価値(欲求)の世代差が大きかったリアルイベントは?

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この記事の著者

工藤 玲(クドウ レイ)

株式会社電通マクロミルインサイト リサーチオペレーション部 人と生活研究所 リサーチャー

金融機関系シンクタンク・事業会社のリサーチ部署を経て、2023年株式会社 電通マクロミルインサイト入社。 “人”を基点に、インサイトやトレンドに関するメソッド開発や、情報発信していく窓口「人と生活研究所」所属。 住宅、家電...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/12/16 09:30 https://markezine.jp/article/detail/43927

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