ファン・サポーターと新しいサービスを作る上で大事なこととは?
――共創型コミュニティ「JubiROOM」ではどのような取り組みを行っているのでしょうか。
JubiROOMでは、「プロジェクト」と「コンテンツ」の2つに分けてサービスを提供してきました。プロジェクトはメンバーの皆さんと一緒に実際の企画を行うもので、コンテンツはジュビロ磐田の事業の裏側や他クラブの参考となる情報についてなど、今後のジュビロ磐田を考える上で役立つ情報を共有するものです。立ち上げ時には11のプロジェクト、15のコンテンツを準備していました。
――プロジェクトにはどのようなものがあったのでしょうか。
プロジェクトでは、最初に浜松市出身の芸人さんであるEXITのりんたろー。さんをMCに迎えた「キックオフミーティング」を実施し、クラブの強化責任者である藤田俊哉スポーツダイレクターとジュビロ磐田の未来について語り合える「ジュビロ磐田未来会議」などを行いました。また、「YouTube企画会議」と題してジュビロ磐田公式YouTubeチャンネルの企画動画を一緒に考え、実際の収録まで立ち会っていただきました。
――クラブのコンテンツ作りに直接関われるのは貴重な体験ですね。とはいえ、どこまでファン・サポーターの声を反映した企画にするかのバランスが難しいと思うのですが、どのように対応したのでしょうか。
「YouTube企画会議」では、企画・制作を担当する広報にも協力してもらい、最初に動画制作の目的などをブリーフィングさせていただきました。できること・できないことを最初に明確にお伝えすることで、メンバーの皆さんからも実現性が高く、かつ新規性のあるアイデアを数多く頂けました。
――ブリーフィングを丁寧に行うことで、ファン・サポーターの皆さんがアイデアを出しやすい環境を作ったんですね。実際にはどのような企画ができたのでしょうか。
最終的に完成した企画は、「選手がホームタウンで(名物の)うなぎつかみ&かば焼き体験をする」というものでした。ホームタウン紹介に加え、選手の普段見られない姿が見られる内容に仕上がりましたし、メンバーの皆さんからも動画の再生数を気にする声が上がるなど、自分ごととして捉えていただけていると感じました。
掲示板を中心にファン・サポーターの生の声を拾い上げる
――コンテンツに関しては、どのようなものを用意していたのでしょうか。
今回、株式会社スタジアムの提供するオンラインサロンプラットフォーム「FANTS」でコミュニティを運営しており、同プラットフォームの掲示板機能を活用して、双方向でコンテンツを発信できる環境を構築しました。
たとえば、「ジュビロ磐田特命リサーチ部」というコンテンツでは、他クラブ・他業界のスタジアム・スタジアムグルメ・イベントなどをコミュニティの皆さんに発信していただきました。
私たちフロントスタッフは一部を除いてアウェイの試合に出向くことがあまり無いため、他クラブの情報をキャッチアップしきれていないと感じていました。メンバーの皆さんの中にはアウェイにもほぼ全試合観戦に行くほど熱量が高い方もおり、様々なスタジアムでの観戦経験があります。現地に行ったからこその生の声を拾い上げる取り組みとして、特命リサーチ部をスタートしました。
また、私たちも「フロントスタッフの日常」と題し、各部門の何気ない風景や業務の裏側などを発信させていただきました。フロントスタッフも一部は顔出しでJubiROOMに参加しており、メンバーの方に「この人たちが運営に携わっているんだ」と知っていただければ、と考えていました。