ニュース閲覧ターゲティングを活用する際のKPIとは?
MZ:では、今回どのような施策を実施したのか教えてください。
椎名:インボイス関連のニュースを見ている方にリーチすることは意識しつつも、それだけで弥生様の指名検索やユーザー獲得に寄与できる確証はありませんでした。そのため、ニュースの閲覧率だけではなく、検索リフトを加味したエンゲージメントスコアを抽出して、広告の配信を行いました。
MZ:今回はブランド認知獲得を目的とした施策ですが、KPIにはどの指標を設定しましたか。
内藤:今回はWebCM視聴後の指名検索流入数(VTNQ:ビュースルーエヌクエリ)をKPIに設定しました。つまり、WebCM視聴後に指名検索広告をクリックして、サイトに来訪するとタグが発火するように設定し、ブランド認知獲得やファネルリフト促進(認知、興味から検討まで)だけでなく、最終的にコンバージョンに貢献したかどうかを最優先KPIとしてきました。
他の媒体でもWebCMを配信していたため、横並びで把握できる指標を選択しました。また、「インボイスなら弥生」というイメージを持ってもらいたかったので、広告を見た後の純粋想起を測るためにも、指名検索数が重要だと考えました。
Yahoo!広告に接触することで、Yahoo!検索や他の検索エンジンで「インボイス 弥生」と検索するユーザー母数の増加にも期待しましたし、純粋想起と指名検索の相関性はあると思っていたので、VTNQをKPIにしつつ、指名検索とコンバージョンに相関があるかも検証しました。
ブランディングから獲得まで一気通貫で取り組む
MZ:施策を行うにあたって他に工夫した点を教えてください。
内藤:今回のクリエイティブでは、クレイ・アニメーションを用い、あえて弥生らしくない雰囲気にしました。インボイス自体に難しいイメージがあり、また、弥生という会社も社名や歴史からどこか堅いイメージを持たれていました。そのため、クレイ・アニメーションを取り入れて「私でも弥生を使えばインボイスに対応できそう」と、初心者でも簡単だと思ってもらえるようなWebCMを制作したんです。
羽生:今回のニュース閲覧ターゲティングは、インボイス制度の施行に合わせて発足したプロジェクトの中で行いました。
これまで、獲得とブランディングは目的別に縦割りでそれぞれのKPIを設定していましたが、今回のプロジェクトでは、WebCMの出稿で指名検索数を増やし、その後の獲得につなげていくところまで、点ではなく線で施策を展開しました。そのためのKPI設計や施策の連動を、プロジェクトチームで工夫しました。
椎名:Yahoo!広告でも、指名検索が増えた後、ディスプレイ広告ではどのようなクリエイティブが適切なのか、検索広告ではどのようなタイトル・説明文が効果的なのかを分析して提案しまして、ブランディングから獲得まで一気通貫でご支援しました。
羽生:検索広告のタイトル・説明文に関しては、形態素解析と呼ばれる自然言語処理の一つを活用し、タイトル・説明文に使用すると効果が見込まれるキーワードやフレーズを導き出しました。自分たちで考えるだけではバリエーションに限界があったのですが、Yahoo! JAPANのビッグデータを活用することで、表示回数が増えるなど広告効果の改善が見られました。