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再燃!BtoC のコンテンツマーケティング

社内の出来事はすべてコンテンツになる⁉キリンが語る、魅力的なオウンドメディアを続ける秘訣

KPIにおける「2つの方向性」とは?

MZ:オウンドメディアを運営するにあたり、KPIはどう設定されていますか。

平山:KPIに関しては、外向けと内側に関する2つの方向性があると考えています。

 外向けの視点では、PV数よりも既にキリンのファンでいる方に向けて「だからキリンが好きなんだ」という読後感を提供し、よりキリンを推奨してもらうことを目指しています。特にファンの方から記事を推薦いただくリファラルを重視していて、X(旧Twitter)上でのリーチ数やどの程度シェアされたかなど逐一チェックし、改善に役立てています。

 内側に向けた視点では、どれだけ社内に貢献できたかを考えます。たとえば、公式noteは採用活動にも活用されており、実際にコンテンツを見て入社を決めた若手社員もいます。

 さらに、営業ツールとしてもコンテンツは活用されています。クライアントに数字を提示するだけでなく、どんなカルチャーや思いのもと製品を作っているのかという視点を入れた営業を行うことで、クライアントに響く場合もあるのです。

平尾:伝えきれていないことを伝える役割が、オウンドメディアには非常に重要だと思っています。たとえば「キリン秋味」「ハートランドビール」はキリンの中でもロングセラー商品ですが、テレビCMを打ち出してはいません。

 そうした商品に対しても公式noteではスポットを当て、発売秘話を担当者に話してもらい、ロングセラーになった経緯を紐解く記事を掲載しました。結果、商品のファンである方から多くの反響をいただくことができました。伝えきれていなかった部分がコンテンツを通して、ファンの皆様に伝えられた好例だと感じます。

キリンの公式noteでは様々な商品を取り上げたコンテンツを発信している(https://note-kirinbrewery.kirin.co.jp/m/m0d92b4ba617aより)
キリンの公式noteでは様々な商品を取り上げたコンテンツを発信している
https://note-kirinbrewery.kirin.co.jp/m/m0d92b4ba617aより)

オウンドメディアは企業の“願い”を託されている

MZ:オウンドメディアを運営していく上で、皆様が最も大切にされていることをお聞かせください。

平山:テクニックに流されないように、企業とファンのコミュニケーションに力点を置いたメディア運営を意識しています。オウンドメディアは企業の発信媒体として、ある種“願い”を託されたものだと感じます。キリンが社会に対してどう貢献しているのか、どんな社会にしていきたいのか、というメッセージを発信し続けることで、共感する仲間を増やしていくメディアであり続けたいですね。

戸所:私は、外部からキリンを見ることのできる目、「メタ認知」を常に意識しています。そうでないと、企業側の伝えたい気持ちだけが先走ってしまう。“伝える”ではなく“伝わる”コンテンツを届けられるよう、日々取り組んでいます。

平尾:前のめりの姿勢を意識しています。コンテンツを作る上で、そのインタビュー対象への興味を伝え続けることが大事だと考えています。常に自分がおもしろい、知りたいという気持ちを大事にすることが、結果的に良いコンテンツにつながるのではと感じています。

平山:今、社会全体で企業が発信していこうという機運の高まりを感じます。そうした状況を踏まえ、未来を視座にした一つのテーマを決め、それに対し企業同士が話せる場を作りたいですね。これからを見据えた時、競合企業であっても共創できる可能性はあります。そのハブとなるメディアを作っていきたいと考えています。

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この記事の著者

太田 祐一(オオタ ユウイチ)

 日本大学芸術学部放送学科を中退後、脚本家を目指すも挫折。その後、住宅関係、金属関係の業界紙での新聞記者を経て、コロナ禍の2020年にフリーライターとして独立。現在は、IT関係を中心に様々な媒体で取材・記事執筆活動を行っています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/12/15 09:00 https://markezine.jp/article/detail/44274

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