心が動く消費体験は、気持ちを前向きにさせる
DDDでは「心が動く経験をすると、気持ちが前向きになる」という消費行動モデルを考案しています。11月の調査ではそのモデルが実証される形になりました(図表2)。
具体的には、心が動いた買い物をした人(2,548人)を分母にすると、そのうち40.3%が「最も心が動いた買い物をきっかけに気持ちが前向きに・元気になった」と回答。スコアをブレークダウンすると、男性(35.7%)より女性(44.6%)のほうが高いことから、性別の違いが顕著に見られました。また、年齢別で見ていくと、男性では30代のスコアが低く、女性では70~74歳のスコアが高いことも見て取れます。
男性30代は「特に良い変化はなかった」が32.6%と最も高いことから、心が動いた買い物があったとしても気持ちがなかなか前向きになりにくい様子が浮き彫りになりました。その背景には、子育てや仕事などによって自らの消費活動に喜びや楽しみを見いだせていない姿が想像されます。一方、女性70~74歳は半数以上が、心が動いた買い物をすると気持ちが前向きになると回答したことから、DDDの消費行動モデルに非常にマッチしやすい層になっています。
心が動く消費体験が「サステナブルな消費の原動力」に
前の章では、「心が動いた買い物をすると気持ちが前向きに向かいやすい」ということがわかりました。それでは、その前向きな気持ちは、次にどのような消費に向かうのでしょうか?
DDDでは、消費で心が前向きに動いたことで新たにやりたいことが出てきたり、別の商品サービスへの興味や検討、リピート購入の意向が高まったりすることを総じて「消費の好循環」と定義しています。実際、図表3を見ると、その好循環が起きた人のスコアは全体で57.5%をマークしており、心が動いた消費をした人のうちおよそ6割弱に好循環が起きていることがわかりました。
性別と年齢層別で見ると、男性15~19歳と男性70~74歳で顕著に高くなっており、双方とも7割を超えています。この2つの層は孫と祖母と言えるくらいに年齢の開きがありますが、比較的好循環に繋がりやすいという点が共通項として見出せることになります。
