博報堂DYホールディングス(以下、博報堂DYHD)は、AIに対する現状の生活者意識や利用状況、将来的な期待・意向を明らかにする「AIと暮らす未来の生活調査」を実施した。
以下、一部内容を紹介する。
生成AI関連サービスの利用層は8%、認知層は約30%
まず、生成AI関連サービスの認知・利用経験を調査。1ヵ月に1回以上利用している人(利用層)は全体の8.0%で推定611万人、利用層も含めた認知層は全体の28.7%で推定2,201万人となった。
生成AIサービス利用層について見ると、平均年齢は38.8歳となり、全体と比べて10~30代男性の比率が高いことがわかった。特に、画像系AIサービスの利用層は10~30代の男性が全体の約4割を占めた。ライフステージとしては未婚男性が最も多かった。また女性では、画像系AIサービスの利用層において10代後半が11.1%、20代が10.5%と若年層が多かった。
生成AI関連のサービス利用、翻訳作業がトップ
次に、利用層に実際の用途を尋ねた。すると「翻訳作業(46.3%)」が1位に。2位以降は「情報収集・処理・まとめ(43.3%)」「エンターテインメント・暇つぶし(41.1%)」が続いた。
生活者全体の70%以上がAIに期待
続いて、AI技術全般への期待について質問した。AIに「期待を感じる」と回答した人は全体で73.7%となり、利用層では93.1%と9割を超えた。
今後AIを使って何ができるとおもしろいと思うかを尋ねたところ、全体での1位は「AIにわからないことを質問・相談する(19.7%)」となった。2位は「AIが自分の趣味範囲を広げてくれる(17.0%)」、3位には「AIの助けによって自分が苦手なことにもチャレンジできる(14.7%)」がランクインした。
また利用層では1位と2位は全体と同じものが入った一方、「AIで、創作・表現をして楽しむ(24.7%)」「AIを自分のアシスタントにして仕事をする(24.3%)」「AIを教師にして勉強する(24.0%)」などが上位に並んだ。
AIに関する未来シナリオへの受容度
人間とAIが共存していく中で将来的に起こり得る様々な「未来シナリオ」を提示し、望ましい将来と感じるかを質問した。その結果、全体では「AIの情報とスマートシティ技術を組み合わせ、交通の流れを最適化し、渋滞を軽減する(77.5%)」「勉強の苦手な部分をAIが過去にさかのぼって診断し、苦手をなくしてくれる(75.7%)」などが支持された。
利用層もほぼ同様の傾向が見られたが、すべての項目でAIの未来シナリオの受容度が全体と比べ高い結果に。「AIのパーソナルドクターが、人間が気づかない肉体的・精神的なケアをサポートしてくれる(85.5%)」が最も支持された項目だった。
現在および将来における、AIの存在はどのようなものか?
さらに、現在のAIはどのような存在で、将来的にはどんな存在になって欲しいかを聴取。現在のAIについては、「面倒なことを処理する作業員、事務的な職員、サービスマン(61.6%)」「自分向けのおすすめや疑問を解決してくれるアドバイザー(61.1%)」が多く、3位には「得体の知れない、怖い存在(56.6%)」も入った。
将来AIがどんな存在になってほしいかについては、1位と2位は現在と同じ結果だった。現在と将来の差分に着目すると、増加の大きさ順に「自分を強めてくれる自分の一部分(11.3ポイント増)」「一緒に目標を達成する仲間・バディー・相棒(9.7ポイント増)」「安心できる家族(9.6ポイント増)」となった。
【調査概要】
調査方法:インターネット調査
調査時期:2023年10月
調査対象:全国15~69歳の男女
有効回答数:2,400人
調査機関:マクロミル
分析/集計機関:エム・アール・エス広告調査
※集計結果は事前調査結果出現率により算出
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