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「SNSキャンペーン=ブランド体験を提供する手段」 豊富な事例に学ぶマーケティング新解釈

餅の購買者層を広げたホクレン

 ADK-SPerの活用事例として、清家氏はホクレンの「モチモチベーション北海道 北海道産包装もちキャンペーン」を紹介する。LINE公式アカウントの友だち追加と、対象商品の購入レシート画像の登録、アンケートへの回答で、プレゼントが当たるキャンペーンに応募できる仕組みだ。ブランド体験を損ねないよう、プレゼントを金券などではなく餅を模したビーズクッションなどにしたそうだ。

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「友だち追加してくれたユーザーには、餅を使ったレシピの案内や年末年始の挨拶などを送信し、コミュニケーションを積極的にとりました。その結果、年配者だけでなく若年層の購買も促進でき、新たな年齢層の顧客を取り込むことに成功しました」(清家氏)

 ユニークビジョンとADKマーケティング・ソリューションズは、ADK-SPerのほかに長期的なキャンペーンを支援するサービス「ADK-SPerマイレージ」も提供している。マイレージキャンペーンでランク機能を使えるようにし、ランクアップをモチベーションに来店・購入のリピートを促進する。

「スポット販促とは異なる長期型メニューのため、毎月テーマを変えてキャンペーンを実施いただけます。日を追うごとにレシートデータが蓄積されるため、それを活用したターゲティングやコミュニケーションも可能です。休眠顧客の復活を促す施策も試せる点が長期型キャンペーンのメリットでもあります」(清家氏)

餃子の指名買いを促した味の素冷凍食品

 ADK-SPerマイレージを活用した事例が、味の素冷凍食品の「ギョーザマイレージ」だ。このキャンペーンには、冷凍餃子の指名買いを促進する目的があった。

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 具体的には、対象商品の購入レシート画像をアップしたユーザーに対し、ポイントを付与。ユーザーが貯めたポイントと引き換えにプレゼントへ応募できるようにした。購入の件数・頻度に応じたランク変動の仕掛けなどにより、リピート購入を促進したという。

 LINEを活用したキャンペーンの可能性について、白圡氏は次のように捕捉する。

「LINEのキャンペーンで実施するアンケートやレシートの購買情報を通じて、年代・性別・居住地・購入頻度・購入店舗・併売商品・競合との比較データを収集できます。ほかの事例と同様、それらのデータに基づくセグメントの設定と、メッセージのターゲティング配信も可能です」(白圡氏)

 清家氏は、いよいよ本格化しつつあるCookieレスの流れに触れ「LINE公式アカウントは、Cookieレスへのカウンターとなり、顧客のファン化を促進する非常に有効なツールです。人口が減少する中、いかにファンとの継続したコミュニケーションを維持できるかがマーケティング成功の鍵になります」と語る。

 これを受けて、白圡氏も「消費者からデータを勝手に取得しようとする姿勢が問題」と指摘。「顧客と適切なコミュニケーションを続けながら、対価をきちんと示せば、抵抗なくデータを提供してくれると考えています。そのためには、SNSキャンペーンをブランド体験の場として捉え直し、長期的な視点で施策を動かすことが重要でしょう」と締めくくった。

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この記事の著者

太田 祐一(オオタ ユウイチ)

 日本大学芸術学部放送学科を中退後、脚本家を目指すも挫折。その後、住宅関係、金属関係の業界紙での新聞記者を経て、コロナ禍の2020年にフリーライターとして独立。現在は、IT関係を中心に様々な媒体で取材・記事執筆活動を行っています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:ユニークビジョン株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2024/05/13 10:30 https://markezine.jp/article/detail/44471

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