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MarkeZine Day 2025 Retail

ビジネスパーソンの必須科目「データビジュアライゼーション」

クライアントの心を掴む資料作り、明日から実践できる3つのポイント


ポイント1:心地よさ

 理想的なコンサルティング資料とは、クライアント企業内で資料が独り歩きしても伝えたいメッセージが正しく伝わるような資料です。そのためには、資料を通して読み取れる内容が人によってブレないようにしなければなりません。

 内容が複雑になればなるほど、本質を掴むのが難しくなり、最終的に伝わる内容がブレやすくなります。それを避けるためには「理解するためにストレスがかからない資料であること」が大前提となります。

 そのために私たちがやっていることを3つ紹介します。

1.言葉(言語)をクライアントに合わせる

 自社で当たり前のように使っている単語が、他社においては馴染みがない。そういったことは少なくありません。まずは、相手の所属やリテラシーに左右されず、中高生でもわかるくらいまでかみ砕いて伝えることが重要です。

例:分析ロジックの説明をしたい時
■通常の説明:「パス解析を採用しています」
↓(聞き手:パス解析とは……?)

■易しい説明:「方程式化しています」
↓(聞き手:どんな方程式?)

■さらに易しい説明:「成果と複数の要因について、それらの関係性を説明しています。また、要因同士の関係性も明らかにできます」

 さらに一歩進んでクライアントの心を掴むためには、クライアント社内で使われている言語や用語を取り入れるのがおすすめです。自分に馴染みのある表現で説明されると、読み手の認知的負荷は軽くなります。

 クライアント社内で使われている用語は、クライアントとの会議の議事録やクライアント企業が公開している記事、IR資料などを確認すると見つかります。その中でも私がよく読み込んでいるのが、導入インタビューです。たとえば、「Web広告」という言葉も、企業によって「オンライン広告」「デジタル広告」「ネット広告」と別の呼び方をすることがあります。

 細かい話のように感じるかもしれませんが、普段の仕事で使わない言葉で説明すると、頭の中で翻訳する少しのストレスを相手に与えてしまうことになります。資料にある言葉がクライアントにとってパッと理解できない言葉であるほど、資料の内容は頭に入ってこなくなるのです。その結果、スライドの枚数を重ねるごとに不明点が頭の中に積み上がり、クライアントが資料内容の理解を放棄することにつながります。細かな言葉遣いに気を付けることで、そのような事態を防ぐことができます。

 導入インタビューは、クライアントがお客様と向き合う時に使っている用語や表現がわかりやすく表れているので、一度読んでみることをおすすめします。

2.トンマナをクライアントに合わせる

 クライアント企業のトンマナに合わせて、資料を作成するのも有効です。トンマナとは、トーン&マナーのことで、フォントやカラーなどのデザインから世界観を一貫させる役割を担うものです。

 各企業の指定フォントやコーポレートカラーは、企業サイトで公開されている場合も多いので、ぜひ調べて資料に取り入れてみましょう。決算資料も各企業のトンマナがわかりやすく表れるので、それらを参考にするのもよいと思います。クライアントにとって見慣れたトンマナは、相手にとって安心感を与えつつ、認知的な負荷を軽くします

3.無駄な装飾を捨てる

 コンサルティング資料に華美な装飾は不要です。無駄な装飾が多いと、目に入る情報が多くなり、資料の本質を理解する妨げになります。

 たとえば、以下のようなものは積極的に捨ててみることをおすすめします。

・「~したく存じます」などの話し言葉

・空白を埋めるために入れたアイコン

・示唆のないグラフ

・12ポイント未満の小さな文字を詰め込んだ長い説明文

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ポイント2:驚き

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この記事の著者

志水 裕亮(シミズ ユウスケ)

株式会社サイカ カスタマーサクセス統括部 MAGELLAN部 MAGELLAN2課 課長 兼Consulting部 マーケティング戦略コンサルタント

新卒で大手企業向けソフトウェアを提供するITメガベンチャーへ入社し、営業・コンサルタントとして、ソフトウェア活用促進に向けたコンサルティングを提供。202...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/01/19 11:33 https://markezine.jp/article/detail/44479

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