購買と症状属性からライフスタイルが見てくる
では、今回の「整腸薬を新規で購入しリピートしている人」はなぜ便秘症状該当率が高いのでしょうか。普段の生活における特徴から見ていこうと思います。便秘の原因として一般的には食生活や栄養バランスの乱れが要因の1つと考えられます。今回のように整腸薬を新規で購入しリピートしている人の食生活関連の悩みについて見ていきます。今回弊社で行った自主企画調査は、『栄養バランス』についての「お悩み度」と「満足度」をそれぞれ聴取しており、2つの回答結果をクロスすることで『栄養バランス』を指標化しています(※6)。
※6 2022年12月8日~12月28日に実施した弊社購買モニターへの自主企画調査結果をもとに算出(定義はグラフ下に記載)
<調査概要>
調査対象:SCIモニター/調査方法:インターネットリサーチ/調査期間:2022年12月8日~12月28日/有効回収数:n=38087(15-79歳)

・緊急層:栄養バランスについて「非常に悩んでいる」×「とても不満」回答者
・顕在層:栄養バランスについて「非常に悩んでいる」or「かなり悩んでいる」×「とても不満」or「不満」回答者
図表6でもわかる通り、今回伸長した「整腸薬を新規で購入しリピートしている人」は他の整腸薬購入者よりも“栄養バランスに不満がある”といえます。整腸薬の購入に至った行動の裏には“栄養バランスの乱れ”といった背景が隠れているのかもしれませんし、栄養バランスの乱れにより、便秘という症状が発症し、整腸薬を購入するといった購買ジャーニーも想像できます。
また詳細な仮説検証は必要かとは思いますが、便秘への対処目的で整腸薬を購入しているという事象だけでは、整腸機能を持たない製品は機会がないと思われがちです。しかしながら、購入者の根本的なお悩みが実は「栄養バランスの乱れ」という仮説になると整腸機能を持たない製品にも機会があるといえるかもしれません。
“購買×属性”で様々な角度から生活者を理解する
今までお伝えしてきたように購買×意識・症状データの“記録”を確認することで、購入の背景を簡易的に推察できると考えます。また背景を想像するだけでなく、多様な属性を使って分析することで新たな気づきが得られることもあると思います。今回のように、生活者が持っているお悩みが、整腸薬を購入する直接的なきっかけではなくても、間接的なきっかけとなっていることがありそうです。自社参入領域との関連性が低い事象においても、多様な属性を使って生活者を分析し想像・理解することで、思わぬ機会の発見につながるかもしれません。