単行本化にTV番組、超人気コンテンツを生み出す個人サイト「webやぎの目」
――それでは始めにお名前と年齢、職業を教えてください。
林雄司(はやしゆうじ)、37歳です。ニフティ株式会社で、「デイリーポータルZ」というサイトのウェブマスターをしています。
――まず、林さんが個人で運営されているサイト「webやぎの目」について伺いますが、人生で初めて作ったウェブコンテンツは何ですか?
東京の駅にあるトイレを実際に回ってレポートした「東京トイレマップ」というサイトです。トイレだけでなく、トイレの落書きの写真も集めて載せました。

――あはは、トイレの落書きは味があって面白いですね。「東京トイレマップ」はすぐに人気が出たのですか?
そうですね。いろいろなサイトに取り上げられて、夜が明けたら1日800件くらいのアクセスがあって驚きました。
それからトイレマップ以外にもいろいろしたいことがあったので、「webやぎの目」というサイトを作りました。
――「webやぎの目」の中で特にブレイクしたコーナーが、低レベルな臨死体験の投稿を集めた「死ぬかと思った」だと思います。単行本化され、TV番組にもなりましたが、読者にウケた理由は何だと思いますか?
低レベルな臨死体験という、誰にでも簡単に説明できる内容だからだと思います。ただぼんやり面白いのではなく、テーマが説明できる方がウケやすいと感じましたね。

――「webやぎの目」からは林さんのコラムなど、いろいろなコーナーが書籍化されていますが、1つの個人サイトからこれだけ多くの本になっているのがスゴいですよね。
自分の名前が入った本が出たときは嬉しかったですね。「死ぬかと思った」の人気があって、その後の本も出せたのかなと思います。
――あと「webやぎの目」では、ハトやガスタンクの写真を集めて紹介されていますが、他の人が注目しないものをあえて取り上げてますよね?
そうですね(笑)。身近にいっぱいあるけど気に留めない物を紹介して、人を驚かせるのが好きなんです。ガスタンクなんてあんなにおかしいのに、無いことになってる。普段見てるけど気付かない物を改めて見てもらって、驚かせたいんですよね。

――そこが林さんの作るコンテンツの大きな魅力だと思います。個人で運営されている「webやぎの目」がヒットした後、今度は企業サイトのウェブマスターになられたんですよね?
