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【特集】お客様の「ご愛顧」を得るには?

購入以外のアクションにも価値を見出す 会員プログラムのリニューアルに込められた狙い

休眠から復活した会員数は前年比170%

──UAクラブの運用を開始してから、どのような反響が見られましたか?

 プログラムの内容を大幅に変更したため、リニューアルによって「売上が下がっていないか」「お客様が離反していないか」の2点を特に注視していましたが、結果的に売上は下がらず維持することができました。驚いたのは、休眠していたお客様が戻ってきてくださった点です。いわゆる“戻り会員”の数がリニューアル後に前年比約170%と大幅に増え、予想以上の反響を感じました。

 新たな試みであるアクションマイルについても大きな反響がありました。リニューアル開始から約2ヵ月間で、商品のお気に入り登録数は前年の約10倍に、購入後のレビュー投稿数は前年の約3倍にまで伸長したんです。お客様のアクションが目に見えて活発になっていることがわかりました。

──お客様の「ご愛顧」を得るためには、お客様を知ることから始める必要があると思います。御社では顧客を理解するために、どのようなことに取り組んでいますか?

 その月に集まったレビューの件数をまとめたレポートはもちろん、レビュー件数が多かった商品ランキングやレビューの内容を詳細に分析したレポートもカスタマーサービスデスクチームが毎月作成し、全社の商品担当にフィードバックしています。会員プログラムのリニューアル前からお客様の声をアンケートで集める活動には取り組んでいましたが、アクションマイルによって集まる声が飛躍的に増えました。お客様の声をマーケティング部門だけで見て満足せず、社内にフィードバックするサイクルを回すことがご愛顧を得るために必要なプロセスだと考えています。

 また、会員プログラムのリニューアル後は全店のスタッフを対象に回答必須のアンケートも実施しました。変更点が多かったため「お客様に説明するのが難しい」「セールストークをシンプルにできないか」など、辛辣な意見が多数集まって。たとえば、UAクラブではプラスチック製の会員カードを廃止したんです。会員プログラムのリニューアル後に、スタッフが店頭でプラスチック製の会員カードをお持ちのお客様を見かけた場合、デジタル会員証への移行方法を案内してもらっていたのですが、このご案内に時間を要していることがアンケートでわかりました。移行作業のサポートにスタッフが付きっきりとなってしまっていたのです。そこで、簡易的にご案内できるセールストークを考案してマニュアルを地道に更新していきました。

 私を含むデジタルマーケティング部門のメンバーも、年末年始の会員様限定セール期間中は店頭に立ち、自分たちで実際にUAクラブのご案内をしました。その経験を通して、スタッフからアンケートで寄せられた声に納得しましたし、目の前のお客様が登録時につまずきやすいポイントも把握することができました。たとえば、パスワードに記号を含めなければならないことや、電話番号のハイフンが入力必須であることが十分に伝わっておらず、入力時につまずく方が多かったんです。そのような細かいつまずきポイントを直接拾ってシステムの改善につなげる取り組みも、ご愛顧を得るための工夫かもしれません。

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この記事の著者

渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)

1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/04/17 20:37 https://markezine.jp/article/detail/44882

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