インテージは、2020年から継続的に実施しているSDGsに関する調査において、2023年12月調査までの分析結果を公開した。
SDGsの認知率、微増傾向続く
まず、SDGsの認知率(「内容を知っている」「内容をある程度知っている」「言葉は聞いたことがあるが、内容は知らない」の合計)を調査。2022年まで毎年大幅上昇していたものの、2023年1月は83.7%、2023年12月には84.6%と微増で推移した。「内容を知っている」「内容をある程度知っている」という人は2023年の1月から12月の間で3ポイントほど増加した。
「物価上昇」への関心がトップ
次に「SDGsで優先的に取り組むべきゴール」がこの3年間でどう変化したかを調べた。すると、2023年12月調査では「平和と公正をすべての人に」がトップになり、「すべての人に健康と福祉を」「気候変動に具体的な対策を」「貧困をなくそう」「人や国の不平等をなくそう」が続いた。
30の社会課題・テーマの中から、関心のあるもの(複数回答可)と最も関心のあるもの(単一回答)を尋ねると、ともに1位は「物価上昇、生活費高騰」に。特に、最も関心のあるものとしては2位以下との差が開いた。
サステナブル度、男女ともに若年層・高齢層で高い「U字型」に
続いて、サステナブル度の高い「サステナブルアクティブ層」(「Super層」「High層」の合計)の割合を調査した。結果、2023年12月調査を2022年と比較すると0.8ポイントのマイナスとなった。一方、サステナブル度が低い「Low層」は2年連続で増加した。
サステナブルアクティブ層を性年代別に見ると、男性は10代・20代・60代、女性は10代と40~60代で高くなり、男性30~50代と女性20~30代が低いU字型となった。最もサステナブルアクティブ層の割合が高いのは60代女性で、54.7%と半数を占めた。
商品やサービスを選ぶ視点は?
商品やサービスを選ぶ際に「よりよい社会や環境の実現」「自分へのメリット」のどちらを重視するかを調べたところ、すべてのカテゴリーにおいて概ね「よりよい社会や環境の実現」が約1割、「よりよい社会や環境の実現と自分へのメリットの両立」が約3割、「自分へのメリット」が約6割に。カテゴリー別に見ると、「日用品(消耗品)」「車」では「よりよい社会や環境の実現」「よりよい社会や環境の実現と自分へのメリットの両立」の割合が高くなった。
最後に、SDGsの認知者に対して関心や取り組む企業・関連商品への意識を聴取。すると、約5割がSDGsに関心があり「自身も取り組みたい」「取り組む企業を応援したい」と答えた。また4割は「SDGs関連の商品やサービスを購入・利用したい」と考えていることが示された。
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