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【特集】お客様の「ご愛顧」を得るには?

良い意味で期待を裏切る、横浜DeNAベイスターズのファン増加戦略

ファン化のカギは「子ども」と「コラボ」

──ベイスターズの認知層~興味・関心層をファン層に引き上げるところが一番難しいとのお話ですが、ファンを増やすために現在力を入れている取り組みを教えてください。

 認知層のアプローチは、中長期目線と短期目線でそれぞれ注力している施策があります。まず、中長期目線で力を入れているのは「子どもとベイスターズの接点を増やす」ことです。

 私たちは、子どもたちの野球離れを課題視しています。野球の中長期的な発展のため、これまで行っていた野球振興活動を強化する取り組みとして、『やきゅうみらいアクション』を立ち上げ、活動しています。その一環で球団マスコットのDB.スターマンやDB.キララ、オフィシャルパフォーマンスチームdianaが横浜市内の幼稚園、保育園に訪問し、野球教室やダンスで触れ合う取り組みを年間100回以上行っています。

 このような取り組みを通じて子どもたちが、野球の楽しさを感じたり、「スターマンがかわいい」と思ったりすることが、大きくなったときに「野球を見に行きたい」「ベイスターズの試合を見たい」という行動につながってくると考えています。

 短期目線では、IPやインフルエンサーとのコラボレーションに注力しており、来場にも結び付いています。野球に興味がない人に対し、野球の魅力を伝える術はないですし、あったとしてもダイレクトに伝えるだけでは、なかなか来場にはつながりません。であれば、野球ではない何かをきっかけにベイスターズにも興味を持ってもらいたいと考え、コラボレーションに力を入れています。

 当然、コラボレーションすればなんでも良いわけではありません。ベイスターズがこれまで培ってきたブランドと親和性が高いかを検討し、コラボレーション先のファン層を理解した上で施策を実施することが重要です。また、コラボレーション先にもメリットを提供しなければなりません。

 たとえば、2023年シーズンに開催したポケモンとのスペシャルイベント『ポケモンボールパークヨコハマ』は、2023年8月に開催された世界大会「ポケモンワールドチャンピオンシップス2023」の開催地が横浜であったことや、元々横浜とポケモンの結び付きが強いことから開催し、大きな反響につながりました。

全員が退屈しない観戦体験やSNSの活用も重要

──2023年シーズンに横浜スタジアムで試合を観戦したことがあるのですが、イニング間イベントや球場内でチケットに申し込むと割引になるオファーなど、球場内でもお客様のご愛顧につながりそうな仕掛けを数多く提供している印象があります。観戦体験の中でご愛顧を得るために意識していることはありますか。

 一度球場に足を運んだ方に色々なコンテンツを体験していただけるとリピートにつながりやすいので、球場内での体験は重要視しています。たとえば、各イニング間に行うイベントでは、皆様が「楽しめる」「何かしらお得になる」要素を盛り込んでいます。巨大キャッチャーにストライクを投げ込む「ズッバーン!NICEPITCHING」の場合、挑戦者の方がストライクを達成した回数に応じて球場内のフードを来場者全員がお得に買えるようになります。このように、イニング間も楽しい時間を過ごしてもらえる体験を常に考えています。

──その他に、お客様からのご愛顧を得るために取り組んでいることはありますか。

 SNSを広く活用することで、365日ベイスターズとの接点を作り続けています。現在、ベイスターズではX(旧Twitter)、Facebook、Instagram、LINE、YouTube、TikTokで情報発信を行っています。シーズン前のこの時期はキャンプに関する情報を出しながら、シーズン中に発信する情報の仕込みも行っています。プロ野球は試合数が多いものの、試合がない日はファンの方との接点がなくなります。試合がない日でもSNSで情報発信をすることで、よりベイスターズに愛着を持ってもらえることを目指しています。

 また、グッズもファンとのコミュニケーションツールの一つとして捉え、幅広いバリエーションのグッズを開発してきました。試合の中で起きた出来事やヒーローインタビューでの選手の発言、SNS上で話題になった投稿など、ベイスターズならではのモーメントをいち早く見つけて、即グッズ化するようにしています。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/04/24 14:28 https://markezine.jp/article/detail/44892

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