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スマートシェアと取り組む、OWNLYを活用した企業SNS施策(AD)

Xで集客→LINEに集約!デジタル施策からリアルへの来館につなげる、そごう・西武のSNS戦略 

 多くの生活者にとってインフラ化しているSNS。企業はSNSを活用していけばいいのだろうか。本記事では、そごう・西武が取り組むSNS施策について、同社の関口氏と皆川氏、そしてマーケティング支援を行うスマートシェア松田氏が対談。1企画でX(旧Twitter)1.6万人のフォロワー、LINE2.5万人の友だち増加につながったほか、パーソナライズ化によりLINE開封率が飛躍的に向上した事例の詳細や成果のポイントについて伺った。

お客様に来館いただくためには?そごう・西武のマーケティング戦略

MarkeZine編集部(以下、MZ):今回は、そごう・西武様のSNS施策の取り組みについてうかがいます。自己紹介からお願いできますか。

関口(そごう・西武):そごう・西武の本部でデジタル販促部門の責任者を務めています。2018年に現在の部署に異動する前もプロモーション関連業務に長く携わっていました。

皆川(そごう・西武):私は接客の経験が長く、販売促進業務に携わるようになったのは2021年からです。販売促進のWeb担当を経験した後、現在は本部でSNS施策を主に担当しています。

松田(スマートシェア):私はSNSマーケティング支援を行うスマートシェアで、主に新規営業、SNS運用やキャンペーン企画の提案をしています。

 そごう・西武様の担当になったのは2022年夏からです。最初は関口様や皆川様など本部の方々とのお取り組みから始まり、現在は本店や全国の店舗の方々の支援にも携わっています。企画を一緒に考えたり、月1回ほど定例会に参加し勉強会を開催したりしています。

MZ:まず、そごう・西武のマーケティング戦略について教えてください。

関口(そごう・西武):キーワードは「ドライバー志向」です。車を例にすると、私たちが行うのはF1の車の開発ではなく、ドライバーがきちんと乗りこなせる車を用意することです。マーケティングを考える際は、お客様の立場で必要な情報やコンテンツ考えることを忘れてはいけないと思っています。

 どうしてもつき詰めていくと、開発や分析など、難しいこと・高性能であることなどに入り込んでしまいがちです。私たちが目指していることは、お客様に来館いただくことなので、新鮮なニュースや発見が提供できるように戦略を立てています。

SNS施策は、顧客の接点を増やす発射台

MZ:デジタルマーケティングの中で、SNS施策は現在どのような立ち位置なのでしょうか?

関口(そごう・西武):まずデジタルマーケティング全体の考え方として、「リアルに溶け込ませるもの」として施策を行っています。デジタル施策は効果を計測できる点がメリットです。実施する上で大切なのは「KKD(仮説・検証・データ分析)」。施策を打って終わりにするのではなく、次につなげるようにしています。

株式会社そごう・西武 営業企画部<br />デジタルコミュニケーション担当部長 関口泰史氏
株式会社そごう・西武 営業企画部
デジタルコミュニケーション担当部長 関口泰史氏

関口(そごう・西武):その中でもSNSは、お客様の目に触れやすい施策のひとつです。弊社としては情報を拡散し、顧客との接点を増やす「発射台」と考えています。

 たとえば来館いただくためのイベントやフェアなど、どんなにコンテンツを一生懸命作ったとしても、見てくださる人がいない状況は避けなければいけません。だからこそコンテンツ作りと情報拡散(会員獲得)は両輪で進めていく必要があります。そのためにも情報拡散を担うSNSは欠かせない存在です。

 また、取引先(テナント)の方々も、すでにSNSを積極的に運用されています。そのような中で百貨店であるそごう・西武は、お客様に「いま、何を提供しているのか」というニュースをしっかりと情報発信をする必要があると考え、SNSの活用に力を入れています。

ゼロパーティーデータを取得し、パーソナライズ化を加速

MZ:具体的なSNS施策を教えてください。

皆川(そごう・西武):様々なSNSを活用していますが、中でもX(旧Twitter)とLINEの活用に力を入れています。

 Xは、リアルタイム性に注目しています。というのは、私たちが発信する情報はイベントのお知らせなどのニュースが多いためです。また、著名人の方とのタイアップがしやすい点も特徴です。

松田(スマートシェア):加えて、拡散力の高さもXのメリットとして挙げられます。Xにはリポスト機能があるため、企業が発信した情報をユーザーも拡散してくれます。広く浅く、あらゆる情報を届けるには最適な媒体といえるでしょう。

スマートシェア株式会社 OWNLY事業部<br />Solution Sales Team Leader 松田太一氏
スマートシェア株式会社 OWNLY事業部
Solution Sales Team Leader 松田太一氏

皆川(そごう・西武):一方LINEはその登録者数の多さがメリットです。全国民約1.2億人のうち、月間9,500万人が活用しているLINEなら、多くの方々に私たちの情報を届けられると考えました。

松田(スマートシェア):LINEはパーソナライズ化し、One to Oneコミュニケーションができる点もメリットですね。他のSNSは基本的に全員に対して同じ内容の発信しかできませんが、LINEはセグメント配信ができるため、情報を届けたい人に絞って届けられます。

皆川(そごう・西武):このようなXとLINEの特徴を踏まえたうえで施策を打っています。たとえば、Xで情報を拡散した後にLINEに集約することでOne to Oneコミュニケーションを取れるようにし、最後にクレジットカードアプリ登録に促して顧客化を目指します。

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松田(スマートシェア):SNS施策を実施する際はゼロパーティーデータを取得できるよう工夫も重要です。企業はXの投稿を見た人がどのような人なのかを明確に把握することはできません。匿名にしていたり、複数のアカウントを持っていたりする人もいます。だからといって「アンケートに答えてください」とただお願いしても、進んで協力してくれる人は少ないものです。

 そこで私たちは特典付のSNSキャンペーンを実施することで、アンケートに回答したくなる仕組みを作り、投稿を見た人の属性がわかるようにしています。サードパーティーデータの規制が進む中、より注目を集めつつある手法です。

「母の日企画」キャンペーンで、X1.6万人・LINE2.5万人増!

MZ:XからLINEに集約する施策について、具体例をお話しいただけますか。

皆川(そごう・西武):2022年4月5日から5月8日の期間に実施した「母の日企画」の例を紹介します。スマートシェア様の「OWNLY(オウンリー)」を入れてTwitter(現X)とLINE公式アカウント ダブルチャンスキャンペーンを展開しました。

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皆川(そごう・西武):まずTwitterのアカウントをフォロー、該当投稿をリツイートしていただいた人にコンパクトホットプレートが抽選で当たるキャンペーンを行いました。この時点ですでに参加者が2万8,000名(うち新規フォロワー数は1.6万人)いました。

 それで終わりにならないよう、最初の抽選に外れた人の中からLINEを登録してくださった人に、そごう・西武のオンラインサイトで使用できるクーポン500円分が当たるチャンスも用意。結果として、LINEの友だちを2万5,000名増やすことができました。

株式会社そごう・西武 営業企画部<br />デジタルコミュニケーション担当 皆川美由樹氏
株式会社そごう・西武 営業企画部
デジタルコミュニケーション担当 皆川美由樹氏

MZ:本施策のポイントはどういったとことにありますか。

松田(スマートシェア):各SNSにはメリット・デメリットがあります。デメリットを補うためには、お客様がその企業のすべてのSNSに登録している状態が理想的です。様々な顧客接点を持つことで、コミュニケーションが取りやすくなります。「母の日企画」ではX(旧Twitter)とLINE、どちらの登録者数も増やせました。

関口(そごう・西武):「母の日企画」の成功を皮切りに、そごう・西武では様々な企画でOWNLYを使ってキャンペーンを実施しています。

 たとえば2024年のバレンタイン企画では、池袋店内を回って集めた3つのキーワードをLINEのトーク画面に入れるとデジタルクレーンゲームができるようにし、プレゼントを用意しました。このような企画はXやLINEのデフォルト機能だけでは難しいものです。OWNLYを使ったからこそできたと思います。

松田(スマートシェア):クーポンをお渡しする企画では、誰が・いつ・どこで使ったかを計測します。たとえば「30代女性はこの時間帯にコスメ売り場で買い物をする人が多い」「会社員は仕事終わりの夜の時間帯に来店して買い物をする人が多い」などがわかり、次の施策につなげることが可能です。このようにリアルに溶け込ませるものとしてデジタル施策を活用できています。

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LINE開封率が45%→66%!ローコストで確実に情報を届ける

皆川(そごう・西武):OWNLYを使って属性を明確にし、セグメント配信することで、ローコストで確実に情報を届けられるようになったと感じています。

 たとえば子ども向けワークショップについて発信する場合、対象年代の子どもがいる人に情報を届けたいものですが年代などで分けられるものではありません。そこでOWNLYを使ってアンケートを実施、結果をもとにLINEでセグメント配信を行いました。結果、ある店舗では通常の開封率は45%なのですが、66%まで上がりました。こうした開封率は来店にも直結してきます。このように成果が目に見えるのは説得力があると思います。

関口(そごう・西武):これまでの経験から、最終的にお店で販促を担当しているメンバー(ドライバー)に喜んでもらえる仕組みでなければ定着しないものですし、成長していかないと感じています。最近では「OWNLYを使ってこんな企画をしたい」といった本店や店舗からの相談が増えています。

MZ:本部だけでなく、他の本店や全国の店舗でもOWNLY活用の横展開が進んでいるのですね。

関口(そごう・西武):松田さんに全店メンバーに対してオンライン研修をしていただいています。導入前だけでなく導入後も松田さんがサポートしてくださるので、一連の流れが理解でき、次につなげていきやすいと感じます。

 また、キャンペーンのテンプレートに私たちの希望を当てはめるのではなく、「こんなことをしたい」と伝えれば、柔軟に提案してくださるのも助かっています。抽象的な希望でも的確にこちらの意図をくみ取っていただけるので、納得感のある議論のキャッチボールができています。

活用方法や勝ちパターンを発掘する

MZ:最後に、今後の展望や展開についてお話しください。

松田(スマートシェア):現状、情報を広め、属性データを取るという取り組みは着実にできています。そのため、今後は集めた属性データをどう活用していくかに力を入れて支援していきたいです。現在は配信という形で使っていますが、それ以外にも様々な活用方法があると考えています。たとえばそごう・西武様に入っているテナント様など、取引先の方々のプロモーションに役立てていただくこともできると思います。

関口(そごう・西武):取引先の皆さまもそれぞれSNSアカウントを持っているので、OWNLYを活用してコラボキャンペーンのようなことをするのもよいですね。取引先の方々、そしてその先にいらっしゃるお客様のことを考えながらこれからも取り組んでいきたいです。

皆川(そごう・西武):今回お話ししたように、そごう・西武ではOWNLYを使って様々なキャンペーンを展開しています。これからもスマートシェア様とともに、成功例やうまくいかなかった例をお互いに共有しながら、勝ちパターンを見つけていきたいですね。

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:スマートシェア株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2024/03/18 10:00 https://markezine.jp/article/detail/44906