SNSは、インフラの一部
MarkeZine編集部(以下、MZ):今回は、企業におけるSNS活用のとらえ方について伺います。まず、金谷さんの経歴をお伺いできますか。
金谷:一貫してデジタル領域におりまして、かなり早いタイミングからSNSの力に注目していました。以前は、某人気テレビ番組の公式SNS運用にも携わっていました。約2年前に当社の取締役としてジョインしました。現在は、売上や採用など全方位的に携わっています。
MZ:生活者によるSNS活用について、どう見られていますか。
金谷:これまで情報取得メディアと言えば、テレビやラジオのいわゆるマスメディアでしたが、今の情報取得メディアの1位はSNSではないでしょうか。データとしても年代によりSNSは、Googleに代わる検索メディアになってきています。最近では、テレビ番組もSNSでバズらないと流行らないという流れも出てきていますよね。
金谷:マーケティング的にも、認知段階を含めフルファネルで注目されるメディアになっています。
実際、SNSで流れてきた情報を見てからテレビを視聴したり、SNSの検索で商品の比較検討をしたりする生活者も多いです。さらにSNSの広告経由で購入するほか、情報をシェアされるところまで使われるようになっています。
シニア層にもスマホやLINEを使うことが浸透してきており、大きな年代のくくりで見てもSNSはインフラとなりつつあると言えると思います。
生活者は、SNSをどのように使い分けているか
MZ:情報取得メディアとして欠かせない存在になってきているSNSを、生活者はどのように使い分けているとお考えですか。
金谷:世代によっても変わってきます。若年層で見てみると、TikTokはエンタメで、もう少し上の層で言う「テレビのザッピング」のようなイメージです。たとえば、映画を見ながら「これを買おう」と思わないように、購買行動に活かすのは難易度が高い印象です。
次に、Instagramは調べもの用SNSです。投稿者の人となりが把握しやすく、「誰が投稿者なのか」が重要で、かなり主語が強いです。
Facebookはビジネスツールとして「社会人になって登録しました」という人が増えてきています。「名刺交換してメールするよりメッセンジャーの方が速いですよね」という使われ方です。
そして、今起こっていることがリアルタイムにわかるのは、やはりX(旧Twitter)です。「誰が言っているか」はあまり関係がないので、いわゆるインフルエンサー的な動きは起こりづらいです。
MZ:YouTubeやLINEはいかがですか?
金谷:YouTubeは動画だという意味で、TikTokと似てはいますが、YouTubeの方が「誰」が発信するかが大事になってきている気がします。またエンゲージメント力が強いのもYouTubeの特徴です。長時間視聴するユーザーも多く、投稿側、配信者ともに依然として増えています。
LINEは連絡手段としての活用が主ですよね。若年層に聞くと、最初はInstagramでやりとりし、ある程度仲良くなってからLINEを交換するそうです。