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航空以外の接点で新たな層にアプローチ 広告マネタイズも順調なモバイルアプリ「ANA Pocket」

 新たな収益源としてアプリビジネスを始める企業が増えている。しかし、リリースしたアプリで一定の成果を得るためには「ユーザー獲得」と「広告マネタイズ」の両輪を回すプロセスが不可欠であり、ここに課題を感じている企業は少なくない。ANA Xが運営するモバイルアプリ「ANA Pocket」は、2021年12月のリリース以来、ユーザー数を着実に伸ばし続けている。アプリ内広告による収益化にも取り組んでおり、一定の成果を得ているという。本記事ではANA XとAppLovinの担当者に、アプリビジネス成功の秘訣をうかがった。

非航空事業収入の新たな柱

──本日は、ANA Xの「ANA Pocket(エイエヌエー ポケット)」における取り組みについてうかがっていきます。最初にANA Pocketがどのようなサービスなのか、教えていただけますか?

中村(ANA X):ANA Pocketは、飛行機はもちろん車や電車、徒歩などすべての移動手段でポイント・マイルが貯められるモバイルアプリサービスです。ANAグループにおける非航空事業収入の新たな柱として、iOS版を2021年12月に、Android版を2022年7月にリリースしました。

ANA X 事業開発部 グロース・オペレーションチーム 中村円香氏
ANA X 事業開発部 グロース・オペレーションチーム 中村円香氏

──御社にとって初めてのアプリビジネスだそうですね。

松田(ANA X):搭乗の際に使える「ANAアプリ」や、マイルの残高を確認できる「ANAマイレージクラブ アプリ」は既に展開していましたが、アプリを核としたビジネス展開はANA Pocketが初めてでした。

ANA X 事業開発部 ビジネスアーキテクト 松田成巨氏
ANA X 事業開発部 ビジネスアーキテクト 松田成巨氏

──ANA Pocketのマーケティングを進めるにあたり、どのような課題を感じていましたか?

中村(ANA X):新規ユーザーの獲得に課題を感じていました。ANA Pocketは、飛行機へ搭乗されない方にもANAのサービスを気軽に体験いただけるアプリです。普段からANAでマイルを貯めてくださっている方以外との接点になるところが特徴なのですが、これまでとは違う層へのアプローチに苦戦し、うまく進められていませんでした。

 加えて、アプリを通じたマネタイズにも課題を抱えていました。アプリ内で収益を生むためのシステムがなかなか整わず、当初の収入源は有料会員収入のみでした。

松田(ANA X):社内にアプリビジネスの知見がほとんどなかったため、エンジニアリングやUIの設計など、一から立ち上げる必要があったんです。

導入の決め手はインストールへの貢献度

──今うかがった課題を解決するために、取り組んだことや活用したツールについて教えてください。

松田(ANA X):まずは新しい層にアプローチするため、ペイドメディアを活用しました。主に活用したのは、SNS広告とリワード広告、そしてAppLovinのアドネットワーク「AppDiscovery」を通じた広告出稿です。現在はその中でもAppDiscoveryを主軸に広告を出稿しています。

──AppDiscoveryにはどのような特徴があるのでしょうか?

佐藤(AppLovin):最新AI技術を駆使した広告アルゴリズムにより、ユーザー獲得を効率良く進めることができます。昨年、機械学習エンジン「AXON」が大幅にリニューアルしたことで、モバイルキャンペーンの効率化とパフォーマンスのさらなる向上を期待できるようになりました。

AppLovin Business Development 佐藤憲悟氏
AppLovin Business Development 佐藤憲悟氏

佐藤(AppLovin):キャンペーンはパフォーマンス目標に応じて自動で最適化されるため、マニュアルで調整する必要はありません。複数のキャンペーンをそれぞれ最適化しながら並行利用することもできます。ANA X様とは「アプリインストール数を最大化するキャンペーン」と「インストール後に会員登録する可能性が高いユーザーを予測して最適化するキャンペーン」の二つを、時期によってバランスをとりつつ実施しました。

──導入の決め手を教えてください。

中村(ANA X):AppLovin様は業界大手のプラットフォーマーですし、普段からアプリを使っているユーザーにアプローチできる点が魅力的でした。SNS広告などに比べて、アプリインストールへの貢献度も高いと考えた次第です。

アプリ収益化・ユーザー獲得のお問い合わせはこちらから

AppLovinでは、ゲーム・非ゲームのジャンルを問わず、モバイルアプリの収益化・ユーザー獲得を支援しています。ご興味のある企業のご担当者様は「jp@applovin.com」までお気軽にお問い合わせください。

収益化が見込める広告フォーマットの助言も

──アプリのマネタイズに関してはどのようなことに取り組みましたか?

中村(ANA X):こちらはゼロからのスタートだったため、SSPの導入とオファーウォール(※1)の活用から始めました。試行錯誤を重ねた結果、現在はAppLovinの収益化プラットフォーム「MAX」を活用しています。

2024年3月にアプリのトップページを大幅リニューアルしたANA Pocket
2024年3月にアプリのトップページを大幅リニューアルしたANA Pocket

※1 ユーザーがアプリ内報酬の受け取りと引き換えに行う複数の「オファー」を一覧表示する広告フォーマットのこと

──MAXの特徴も教えてください。

佐藤(AppLovin):MAXはアプリの広告収益最大化を実現するプラットフォームです。全画面広告やミディアムレクタングル広告、バナー広告など、主要な広告フォーマットを全て活用し、アプリ内広告の収益を向上させることができます。

 ANA X様の場合、広告マネタイズが初めての試みだったため、まずはアプリの仕様に即した、より収益が見込める広告フォーマットといったUI/UXの部分からサポートさせていただきました。

中村(ANA X):MAXは、アプリビジネスの知見がほとんどない私たちでも簡単に操作できる仕様になっている上、AppLovin様が丁寧にサポートしてくださるため、スムーズに運用できています。

ユーザー数は導入前比163%に!継続率も高いワケ

──実際にAppDiscoveryとMAXを導入してみて、どのような成果が得られたのでしょうか?

中村(ANA X):AppDiscoveryの導入から4ヵ月でユーザー数は163%に伸長し、目標を大きく上回る150万人を達成しました。ちなみに、CPIは約半分まで抑制できています。

佐藤(AppLovin):配信にあたり、ANA様のモーションロゴ(※2)の有無で広告素材のA/Bテストを行いました。同じタイミングでモーションロゴがあるクリエイティブとないクリエイティブの2種を配信した結果、明確に前者のパフォーマンスが高かったのです。この結果を受け、既存の広告素材全てにモーションロゴを追加してクリエイティブを一新することになりました。このアプローチが獲得に大変有効だったと感じています。

※2 CMの前後などに表示される、動き(アニメーション)をともなった企業ロゴのこと

松田(ANA X):A/Bテストの実施前と比較すると、約600倍の効果が出たため非常に驚きました。加えて興味深かったのは、当初の想定より新規ユーザーの継続率が高かったことです。広告を正しく理解した上で会員登録をしてくださるからでしょうか。

──アプリビジネスの専門企業という立場から、高い継続率の理由はどこにあると考えますか?

佐藤(AppLovin):AIによる配信の最適化に加えて、クリエイティブの貢献度も大きかったと思います。AppDiscoveryでは、クリエイティブ制作のサポートも行っているんです。インハウスのクリエイティブスタジオ「SparkLabs」が、データとトレンドに基づいてパフォーマンスに特化したクリエイティブを制作しています。

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体験を損ねない広告枠で収益は約5倍に伸長

──マネタイズの成果はいかがでしょうか?

中村(ANA X):MAXの導入後、一日あたりの収益は約5倍に伸長しました。AppDiscoveryでユーザー獲得キャンペーンを開始してからは、アプリのユーザー数が増加したこともあり、さらなる収益の伸びを実感することができました。

中村(ANA X):広告マネタイズはANAグループにとって初の試みです。そのため「以前からANAを利用してくださっているお客様は、広告の存在にメリットを感じられないのではないか?」「抵抗を示されるのではないか?」という不安がありました。

 その点、MAXには広告の視認性をコントロールできる「Ad Review機能」が搭載されているから安心でした。事前に望まないカテゴリをブロックをしていても、こちらの意図しない広告が表示される可能性は残るものです。ANAグループのアプリ内に広告を表示する以上、品質の妥協はできません。配信後にクリエイティブを確認できるこの機能は、導入の決め手でもありました。

佐藤(AppLovin):ユーザー体験を阻害せずに広告枠を実装できている点が、今回の収益拡大につながっていると思います。どこに広告枠を配置し、どの程度の頻度で表示させればユーザーの方にアプリを楽しんでいただけるか。この点を重点的に議論しながらサポートさせていただきました。

佐藤(AppLovin):また、MAXのA/Bテスト機能もフルに活用いただきました。ユーザーをA群とB群に分け、収益性の高い設定をテストして見極めていただけるものです。この機能を活用いただくことで、広告収益の最大化を実現できたと思いますし、UI/UXと収益最大化の両方を実現できたことが、松田様のおっしゃったユーザーの継続率の高さにも貢献しているはずです。

ゲームアプリだけじゃないAppLovinのカバー領域

──最後に、各社の展望をお聞かせください。

中村(ANA X):ANA Pocketを通じて、移動の楽しみをユーザーに感じていただきたいです。当社は航空会社ですが、ANA Pocketでは徒歩や自動車での移動に対してポイント付与率を高く設定するなど、エコや健康につながる取り組みも進めています。今後もアプリ内の体験を充実させつつ、ユーザーの獲得にも努めることで、広告収益の最大化も目指していきたいです。

松田(ANA X):ANA Pocketに蓄積されたデータの活用にも取り組みたいと考えています。当社は移動データのほか、「ここを訪れた方はあそこで買い物をする傾向がある」などのデータも保有しています。これらのデータを活用して、地域活性化や新規ビジネスの創出にトライしていきたいです。

佐藤(AppLovin):「AppLovin=ゲームアプリのアドネットワーク」というイメージを抱いている方は多いかもしれませんが、配信先のメディアがANA Pocketのような非ゲームアプリであるケースは非常に増えています。今回の記事をきっかけに、より多くの方にAppLovinを試していただきたいです。

 今回お伝えした機能のほかにも、当社のプラットフォームでは様々な機能を提供しています。たとえばAppDiscoveryとMAXを併用いただければ、広告収益につながるユーザーを効率良く獲得する「Ad ROAS」の機能が利用可能です。これからもアプリの収益化や新規ユーザーの獲得につながる機能をご提案していきます。

 また、これまでは主にゲームアプリで行われていた広告マネタイズですが、昨今はANA Pocketのように広告マネタイズを行う非ゲームアプリが増えており、ご相談も数多く頂戴しています。当社では国内外の成功事例やユーザー動向、マーケットの傾向を把握しているため、幅広いジャンルのアプリを支援することが可能です。「アプリ内広告で収益化を実現したい」「ユーザー体験を守りつつ収益を最大化させたい」と考えるアプリデベロッパーの皆様に、広範囲のサポートを続けていきます。

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AppLovinでは、ゲーム・非ゲームのジャンルを問わず、モバイルアプリの収益化・ユーザー獲得を支援しています。ご興味のある企業のご担当者様は「jp@applovin.com」までお気軽にお問い合わせください。

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:AppLovin株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2024/05/21 10:00 https://markezine.jp/article/detail/45301