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「コンテンツはリードを生み出す重要な資産」BtoBマーケターが知っておくべき、コンテンツ制作の極意

買い手が売り手と接触する時間は、購買全体のわずか17%

 コロナ禍はあらゆる領域のデジタル化を加速させたが、デジタル化によってBtoB顧客の購買行動や購買プロセスも大きく変わった。佐藤氏はCEBのMLC Customer Purchase Research Survey(2011)のレポートを引用し、どのような変化が起きているかを紹介した。

 同調査によれば、BtoB企業の担当者が導入を決めた瞬間を100%とすると、買い手はプロセスの57%が完了したタイミングで、営業担当者に真剣にコンタクトしているという。つまりBtoB企業の担当者は、自社の課題に気づいた段階でまず自ら解決策を探して学習をする。佐藤氏は「このような買い手には売り込むよりも、支援することが重要だ」と主張する。

 「ガートナー社の調査では、買い手の購買活動における時間配分を集計し分析しています。興味深いのは、45%は情報収集、22%が社内でのミーティングに充てられており、実際に売り手と接触する時間は全体の17%しかないことです。買い手自身が情報を集め、検討してから接触していることが裏付けられています」(佐藤氏)

 昨今、営業担当者が売れる仕組みを作り、能力と成果を向上する「セールス・イネーブルメント」が注目されている。しかし、佐藤氏は買い手が買いやすいように支援する「バイヤー・イネーブルメント」の考え方も求められていると主張した。

コンテンツ制作に欠かせないのは「買い手の行動を知ること」

 ここから佐藤氏より、買い手の購買を支援するためのコンテンツ制作のプロセスが紹介された。

 買い手は、自社の製品・サービスをどのようなプロセスを経て購入しているのか。これを買い手自身から確認していくことからスタートする。確認方法として一番行いやすいのが「デプスインタビュー」という手法である。

 「お客様(買い手)に質問票をお送りした上で、インタビューを行います。すると、自分たちが知らないような、お客様が自社に接点を持つまでにしていた行動が赤裸々に見えてきます」(佐藤氏)

 デプスインタビューを通じて得られた情報をもとに営業担当者とディスカッションを実施し、カスタマージャーニーを作成することで、顧客像がより明確になる。このように、顧客の情報ニーズや行動を把握した上でコンテンツを作ることで、顧客の情報収集プロセスに入り込むことができるのだ。

2ヵ月で1位を獲得!事例で学ぶコンテンツの作り方

 では、買い手の情報ニーズに合致したコンテンツを作っていくためには、どのような工夫が必要なのだろうか。佐藤氏は自社が取り組んだ「導入事例」という対策キーワードを狙ったSEOコンテンツの制作事例とともに、コンテンツ企画・制作の秘訣を紹介した。

 佐藤氏によるとコンテンツの企画・制作は「検索意図の確認」「コンテンツ企画」「コンテンツ制作」の順に行っていくべきだという。

 まず、「検索意図の確認」については、キーワード「導入事例」の検索ボリュームや検索窓に特定のキーワードを入れたときに表示されるサジェストキーワードの確認から行った。具体的には「ミエルカSEO」を活用し、サジェストキーワードごとの検索数をチェックしていったという。

 「『導入事例』単体だと月間で2,133の検索数がありました。また、『導入事例 デザイン』『導入事例 テンプレート』『導入事例 インタビュー』などのキーワードでの検索も一定数見受けられました」(佐藤氏)

「導入事例」に関するサジェストキーワード
「導入事例」に関するサジェストキーワード

 また、月岡氏は「『ミエルカSEO』には検索意図を視覚化しやすい機能が備わっている」と補足した。

 「『ミエルカSEO』には、検索意図を視覚的に分析するツールが搭載されています。検索キーワードごとに円を表示するようになっており、円が大きければ大きいほど検索数が多く、円同士の距離はニーズの近さを表しています。近くに表示されているキーワードは検索意図が近いということです。『導入事例』のサジェストキーワードでは、「作り方や書き方、テンプレートが知りたい」など4つの検索意図が見えてきました」(月岡氏)

ミエルカSEOが分類した4つの検索意図
ミエルカSEOが分類した4つの検索意図

 続いて佐藤氏は検索上位に表示されているコンテンツのトップ10を洗い出し、その内容を調査した。「導入事例 テンプレート」での検索結果トップ10の内容を見て、導入事例を作ろうとしているマーケターに必要なことが書かれているかどうか吟味する。

 「自社のコンテンツでは、既存のコンテンツに足りない内容とキーワードを加えていきました。タイトルには、『導入事例の作り方』『無料テンプレート』など、サジェストキーワードを取り入れながら、独自性のあるフレーズを入れました」(佐藤氏)

 このようなプロセスで2022年8月17日に公開した記事(タイトル「受注を呼び込む導入事例の作り方【無料テンプレート公開中】」)は、1ヵ月半後に「導入事例 デザイン」というキーワードで4位を獲得。「導入事例 テンプレート」というキーワードでは、2ヵ月で1位表示させることに成功したという。

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社Faber Company

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2024/04/19 10:30 https://markezine.jp/article/detail/45324

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