オリエンテーションでありがちな3つの誤解とは?
――オリエンテーションの内容をまとめる前に意識しておくべきことがあれば教えてください。
余頃:オリエンテーションは様々なイメージがあって、多くの方が誤解していると感じています。特に多いのが以下3つの「べき」です。
【オリエンテーションで多い3つの「べき」】
1:オリエンテーション用に資料を作りこむ「べき」
2:1回のオリエンテーションで内容を決める「べき」
3:オリエンテーション通りのクリエイティブになる「べき」
1.オリエンテーション用に資料を作りこむ「べき」
余頃:先述の通り、ワンメディアでは案件の半数が口頭でのオリエンテーションです。もちろん、細かく内容のまとまったオリエンテーション用の資料があるのは良いことです。ただ、内容がかっちり決まっていなくても、動画のプロフェッショナルならば、ディスカッションやヒアリングをしながら提案することができます。そのため、きっちり資料を作り込まないと企画がスタートできないというのは誤解です。
2.1回のオリエンテーションで内容を決める「べき」
余頃:最初のオリエンテーションですべて決め切ろうと思っている企業の方もいますが、まずパートナー企業がどのようなケイパビリティを持っているか確認することが重要です。ワンメディアの場合、最初にSNSや動画に関する勉強会を行い、自社のケイパビリティを説明した上でオリエンテーションを実施しています。企画の方向性を示した上で最終的な提案を行うスタイルが多く、提案までに複数回対話を重ねています。
3.オリエンテーション通りのクリエイティブになる「べき」
香川:ショート動画をはじめ動画クリエイティブ作りにおいては、ご提案後の制作段階でも何度かお客様とすり合わせをしていきます。トレンドやSNSの最新動向に対応するために、制作しながら方針を調整することは “あるある” です。
そのためオリエンテーションの時点では、細かな設定や見せ方を規定しすぎず、繰り返しになりますが「余白」を作っておくことをおすすめします。
近藤:美容室に例えるとわかりやすいかもしれません。美容師さんに条件を細かく決めてオーダーしたのに、全然イメージと違った……といったこともあると思います。
そうではなくて「今の気分や悩みはこうだから、夏に向けて髪型をちょっと変えたい」という相談をして、美容師さんから似合う髪型を提案してもらいながら、会話していくほうが、イメージ通りの髪形に近づきますよね? TikTokのショート動画をはじめとしたデジタル施策は、後者のように相談と提案を小まめに行うスタイルのほうが合っていると思います。
オリエンテーションをまとめるフレームワークとは?
――オリエンテーションをまとめる際のポイントについても教えてください。
余頃:まず、先ほどお伝えした「現状」「ゴールや理想」「現状から理想へのベクトル」の3つをまとめることが重要です。弊社ではそれらをまとめる「オリエンのフレームワーク」もまとめています。
近藤:コミュニケーションのベクトルを考える際、各プラットフォームなどが行っている広告賞などの受賞を指針にするのも良いと思います。広告賞では部門ごとに「UGCが創出できたか」「売上に貢献したか」など基準が分かれているので、広告賞の受賞を指針にすることがコミュニケーションのベクトルを定めるのに役立ちます。
余頃:また、オリエンテーションに誰が同席するかも重要です。ワンメディアでは、クリエイティブを考えるプランナーも営業とともにオリエンテーションに同席します。クライアント様にも商品開発担当者やブランド担当者の方が同席していると、商品の使い方や開発の想いが理解できるので、より良いアイデア創出につながると考えています。
香川:「既存施策の中でアップデートしたいものはないか?」という視点でオリエンテーションの内容を考えてみるのも良いと思います。動画やクリエイティブと一言に言っても、様々な表現ができます。
たとえば、トヨタ自動車様と実施しているTikTokのショート動画施策は、「車種ごとのオンラインカタログ」という既存施策をショート動画でアップデートしました。海外のトレンドを取り入れて、思い切って「#ASMR×クルマ」という表現にチャレンジし、オーガニックで若年層中心に再生されるコンテンツを作っています。
このようにトレンドに合わせて、既存のコミュニケーションを現在にアジャストしていくことが重要です。
近藤:クライアント様に用意いただけて嬉しかったのはペルソナですね。ペルソナが細かく共有されていると、「そのペルソナと会話を生むにはどうするか?」という前提で企画が作れるため、イメージに合ったクリエイティブをご提案しやすかったです。
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