Brazeは機能をまだまだ強化していく
Brazeの姿勢は製品開発に対する投資にも見られる。たとえばSaaS企業は上場後に製品開発投資が減っていく傾向が見られるが、Brazeの場合、2021年の上場後も継続的な製品開発への投資にコミットしている。
Braze 最高技術&プロダクト責任者の新田達也氏によると、Brazeの売上高(2023年10月31日時点)に占める研究開発投資の割合は26%と4分の1以上を占めている。
2023年も数多くの機能を開発。内、約30%は外部ソリューションとの連携に関する機能だ。Braze製品内の機能強化だけでなく、外部連携にも引き続き注力していくという。
LINEとの連携も!2024年のプロダクト戦略
具体的な製品戦略は「柔軟なデータ連携」「1プラットフォームでクロスチャネルを実現」「リアルタイムなカスタマージャーニー」「圧倒的な操作性」「AIによる最適化&パーソナライズ」「プライバシー セキュリティ コンプライアンス」の6つの軸をもとに展開している。
2024年は特に「柔軟なデータ連携」と「1プラットフォームでクロスチャネルを実現」の強化を目指していく。
「柔軟なデータ連携」に関しては、クラウドストレージからのデータ連携に力を入れている。Microsoft Azureユーザーは、データウェアハウスをBrazeに直接接続できるようになる。また、AWS S3やGoogle Cloud Storageと直接接続することで、これらのプラットフォーム上にデータレイクを持つ顧客は、Brazeにフラットファイルを安全に連携できるようになる予定だ。
さらにBtoBユースケースのためのSalesforce連携、そしてShopify連携の強化も予定されている。他にも、Treasure Data用Currentsコネクターを使用すると、Braze内で実行した施策の結果や顧客の反応データをTreasure Dataに直接連携できるようになる。
もう1つの注力軸である「1プラットフォームでクロスチャネルを実現」の例で挙げられたのはLINEだ。Braze内の顧客データを活用し、パーソナライズされたLINEメッセージを送信できるようになるという。日本で広く使われているチャネルであるLINEとの取り組みに力を入れることは、日本市場に沿った戦略や製品開発を進めるBrazeの考えを表している。
他にも、Audience Syncを活用し、Braze内のファーストパーティデータを広告プラットフォームへ連携することで、広告配信の最適化、効率化を実現できるようになる。
当然、これらの取り組みにはBraze Alloysの存在が欠かせない。イベントではunerry執行役員 CSOの今泉 ライアン氏が登壇。同社が保持する国内1.5億IDの行動データとBrazeが連携することで、ユーザーの場所や行動に合わせたパーソナライズが可能になる旨が紹介された。
また、世の中に目を向ければ、モビリティや店舗、サイネージなどの進化も著しい。既存のタッチポイントの他にも新たな接点が誕生するだろう。そこも無視できない。
「様々なタッチポイント/デバイスとリアルタイムに接続し、新たな連携価値を生み出し続けることで、新たなエコシステム実現のためのプラットフォームの構築を目指します」と新田氏は方針を示した。