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第106号(2024年10月号)
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日本法人設立3年でMAU2億人を突破、進化する「Braze」エコシステム

 2024年4月18日(木)、カスタマーエンゲージメントプラットフォームを提供するBrazeは、パートナー企業を対象にした「Braze パートナーサミット」を開催。新年度戦略の発表やパネルディスカッション、「Braze Torchie Awards 2024」の発表を行なった。本稿では昨年までの成果や今後のビジョンを中心にご紹介する。

売上対前年比は225%!成長し続ける日本市場

 2011年に創業し、2020年11月より日本市場での展開をスタートしたBraze。日本でのビジネス成長も目覚ましく、3年間の平均成長率は96%、売上の対前年比は225%、顧客数の対前年比は175%、そしてBrazeを通したメール送信数の対前年比は289%という結果を出している。今年度は「顧客を惹きつける体験作りをお客様と共にBrazeもやり切る」という意味で「Be Absolutely Engaging.」を掲げ、カスタマーエンゲージメントの高度化を目指している。

導入企業を支えるパートナーの数も増やしてきた
導入企業を支えるパートナーの数も増やしてきた

 マーケティング担当者はBrazeの活用により、あらゆるデータソースからデータを収集、施策実行ができ、1つのプラットフォームからマルチチャネル、かつリアルタイムに、顧客とパーソナライズされたコミュニケーションができる。さらにAIで仮説検証と最適化を繰り返しながら、大量配信を支援するスケーラビリティーで、ハイパーパーソナライゼーションを実現、ファンとの魅力的な関係を構築、維持していくことが可能だ。

 日本でもスタートアップから大企業まで、企業規模や業種を問わず、幅広い企業が採用する。特に昨年は業界のリーディングカンパニーといわれる企業による採用が進んだという。

 2024年4月にBraze日本法人の代表取締役に就任した水谷篤尚氏は「さらなる成長と日本市場の活性化、最終的には日本企業の競争力強化を目指し、パートナーの皆様と共に日本市場に沿った戦略や製品開発を進めていきたいと考えています」と語った。

Braze株式会社 代表取締役社長 水谷 篤尚氏
Braze株式会社 代表取締役社長 水谷 篤尚氏

 今や北米や欧州、アジア太平洋地域に10カ所以上の営業拠点を持つBrazeだが、中でも日本市場は重視しているという。この日に合わせて来日したBraze Co-Founder & CEOのビル・マグヌソン氏は「多くの企業がカスタマーエンゲージメントを中心に考えるようになりました。パートナー企業の皆様が企業のビジネスモデルを変革する水先案内人となって、ファーストパーティデータを中心に事業展開をするなどサポートをしていただきたいと思います」と話した。

Braze Co-Founder & CEO ビル・マグヌソン氏
Braze Co-Founder & CEO ビル・マグヌソン氏

共に価値を創る、国内パートナーシップ「Braze Alloys」

 続いて阪尾素行氏から国内パートナーシップ「Braze Alloys」に関する説明が行われた。

Braze株式会社 アライアンス本部 本部長 阪尾 素行氏
Braze株式会社 アライアンス本部 本部長 阪尾 素行氏

 Brazeにとって、パートナー企業の存在は欠かせない。各パートナー企業が持つ知見やテクノロジーとBrazeのソリューションが合金(Alloy)のように融合することで相乗効果が生まれ、新たな価値を生み出し続けている。

 2024年は、Brazeの「リアルタイムかつパーソナライズコミュニケーションができる」という仕組みを活用し、CRM/MAツールにとどまらない領域に踏み出すという。

 具体的に掲げているテーマは4つ。「業界リーダーの連携と協業の深耕(デジタルマーケティング)」「生成系AI、LLM、スマートグラスなど(新技術との融合)」「産業アプリケーションとの連携(特定業界の連携)」「モビリティ、スマートシティ、DXでの活用(新サービス創出)」だ。

 加えて、今後はCo-Innovationへの取り組みとして、Brazeを起点として各種データやインタラクションがリアルタイムに駆動することを前提としたサービス開発を進めるとした。

Brazeは機能をまだまだ強化していく

 Brazeの姿勢は製品開発に対する投資にも見られる。たとえばSaaS企業は上場後に製品開発投資が減っていく傾向が見られるが、Brazeの場合、2021年の上場後も継続的な製品開発への投資にコミットしている。

 Braze 最高技術&プロダクト責任者の新田達也氏によると、Brazeの売上高(2023年10月31日時点)に占める研究開発投資の割合は26%と4分の1以上を占めている。

Braze株式会社 最高技術 & プロダクト責任者 新田 達也氏
Braze株式会社 最高技術 & プロダクト責任者 新田 達也氏

 2023年も数多くの機能を開発。内、約30%は外部ソリューションとの連携に関する機能だ。Braze製品内の機能強化だけでなく、外部連携にも引き続き注力していくという。

LINEとの連携も!2024年のプロダクト戦略

 具体的な製品戦略は「柔軟なデータ連携」「1プラットフォームでクロスチャネルを実現」「リアルタイムなカスタマージャーニー」「圧倒的な操作性」「AIによる最適化&パーソナライズ」「プライバシー セキュリティ コンプライアンス」の6つの軸をもとに展開している。

 2024年は特に「柔軟なデータ連携」と「1プラットフォームでクロスチャネルを実現」の強化を目指していく。

 「柔軟なデータ連携」に関しては、クラウドストレージからのデータ連携に力を入れている。Microsoft Azureユーザーは、データウェアハウスをBrazeに直接接続できるようになる。また、AWS S3やGoogle Cloud Storageと直接接続することで、これらのプラットフォーム上にデータレイクを持つ顧客は、Brazeにフラットファイルを安全に連携できるようになる予定だ。

 さらにBtoBユースケースのためのSalesforce連携、そしてShopify連携の強化も予定されている。他にも、Treasure Data用Currentsコネクターを使用すると、Braze内で実行した施策の結果や顧客の反応データをTreasure Dataに直接連携できるようになる。

 もう1つの注力軸である「1プラットフォームでクロスチャネルを実現」の例で挙げられたのはLINEだ。Braze内の顧客データを活用し、パーソナライズされたLINEメッセージを送信できるようになるという。日本で広く使われているチャネルであるLINEとの取り組みに力を入れることは、日本市場に沿った戦略や製品開発を進めるBrazeの考えを表している。

 他にも、Audience Syncを活用し、Braze内のファーストパーティデータを広告プラットフォームへ連携することで、広告配信の最適化、効率化を実現できるようになる。

 当然、これらの取り組みにはBraze Alloysの存在が欠かせない。イベントではunerry執行役員 CSOの今泉 ライアン氏が登壇。同社が保持する国内1.5億IDの行動データとBrazeが連携することで、ユーザーの場所や行動に合わせたパーソナライズが可能になる旨が紹介された。

unerry x Brazeによる、実社会の行動に”秒単位”で即応できるプラットフォーム連携
unerry x Brazeによる、実社会の行動に”秒単位”で即応できるプラットフォーム連携

 また、世の中に目を向ければ、モビリティや店舗、サイネージなどの進化も著しい。既存のタッチポイントの他にも新たな接点が誕生するだろう。そこも無視できない。

 「様々なタッチポイント/デバイスとリアルタイムに接続し、新たな連携価値を生み出し続けることで、新たなエコシステム実現のためのプラットフォームの構築を目指します」と新田氏は方針を示した。

BrazeはCRM/MAツールにとどまらない。目指す<共創と変革>

 イベント後半には、Braze アライアンス本部北川氏の進行のもと、「共創と変革」をテーマにパートナー企業を交えたパネルティスカッションが行われた。

写真左より、Braze株式会社 アライアンス本部 アライアンスマネージャー 北川 祥三氏、株式会社電通デジタル テクノロジートランスフォーメーション第1部門 CXプラットフォームデザイン事業部長 杉尾 直高氏、株式会社サイバーエージェント AI事業本部 協業リテールメディアDiv. アプリ運用カンパニー事業責任者 東樹 輝氏、株式会社博報堂 CRM&システムコンサルティング局 局長補佐 白子 義隆氏、株式会社NTTデータ コンサルティング事業本部 アセットベースドサービス推進室 部長 神山 肇氏
写真左より、Braze株式会社 アライアンス本部 アライアンスマネージャー 北川 祥三氏、株式会社電通デジタル テクノロジートランスフォーメーション第1部門 CXプラットフォームデザイン事業部長 杉尾 直高氏、株式会社サイバーエージェント AI事業本部 協業リテールメディアDiv. アプリ運用カンパニー事業責任者 東樹 輝氏、株式会社博報堂 CRM&システムコンサルティング局 局長補佐 白子 義隆氏、株式会社NTTデータ コンサルティング事業本部 アセットベースドサービス推進室 部長 神山 肇氏

 「消費者につながっていたいと思われるブランドになるには、価値を提供し続けることが求められる」と電通デジタル 杉尾氏は見解を示す。そのためにはBrazeを活用した継続的なコミュニケーションが必要だという。様々なプロダクトにサービスを組み込み、デザインしていきたいと意気込みを語る。

 サイバーエージェントでリテール分野の支援を行う東樹氏は、オンライン・オフラインを統合した購買体験の向上が求められている現状を語り、「AIを活用した価格問題への取り組みやリテールメディアの構築など、Brazeを活用したソリューション開発と推進を通じた市場開拓にも貢献していきたい」とビジョンを示した。

 個を捉えること・リアルタイム性の重要性とともに、事業会社の内製化ニーズの高まりを指摘したのが博報堂の白子氏だ。「広く使いやすいUIが求められており、Brazeはこれらの要件をクリアしています」とユーザビリティに言及した。

 「個の多様化が進み個を捉えることが難しくなっています。カスタマージャーニー全体を設計し、コミュニケーションやクリエイティブのレベルで、どのように購買へと心理変容を促すかを考えていく必要があります」と指摘するのは、NTTデータでビジネス開発を担う神山氏だ。BrazeはCRM/MAツールとしての活用だけでなく、これら一連の取り組みにおいてもポテンシャルを発揮するという。「事業スキームの構築から、価値創出や売り上げ向上、生産性向上に寄与するサービスを共に作り上げていきたいです」と期待を見せた。

「Braze Torchie Awards 2024」発表!

 イベントの最後に「Braze Torchie Awards 2024」が発表された。同アワードは、Brazeの導入・活用支援・カスタマーサクセスやマーケティングなどの領域で、高いビジネス貢献とお客様のマーケティング変革を支援したパートナー企業に授与される賞だ。

 今回、ビジネス貢献の大きさ、カスタマーサクセスの共創、パートナーアセットとの共演、マーケティング変革の革新性といった様々な観点から、対象企業が選ばれた。

  • Partner of the Year(ビジネス貢献と共創活動での大きな成果):博報堂
  • Sales of the Year(共同営業活動を通じた大きな成果):サイバーエージェント
  • Rising Star of the Year(協業活動の早期立ち上げ):電通デジタル
  • Rising Star of the Year(協業活動の早期立ち上げ):ディレクタス
  • Operation of the Year(Brazeの導入・活用の支援促進):SCデジタル
  • Academy Growth of the Year(スキルと体制の強化):パワー・インタラクティブ

 4期目に入ったBrazeジャパンはパートナーたちとともに、マーケティングテクノロジーの提供にとどまらない顧客体験の向上を目指していく。

『デジタル顧客体験』の最新グローバルトレンドをお届け!

 Brazeが年1回実施するカスタマーエンゲージメントに関わる日本を含むグローバル調査レポートを公開中。マーケターの創造性と戦略性を阻む4つの要因とは?それを打開する方策は?

 Brazeのサイトより調査資料をダウンロードできます。

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:Braze株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2024/05/27 11:00 https://markezine.jp/article/detail/45445