データドリブン人材の育成に注力
──今後成長し続けるためにも人材・組織を強固にしていくことが求められると思いますが、人材の育成や採用に関して中長期的に取り組んでいることがあれば教えてください。
今取り組んでいるのがゼネラリストの採用・育成とデータドリブン人材の育成です。ここまでの5年は最短で成長できるよう、リサーチやデータ分析、CRMなど各領域の深い知見を持つ人材をピンポイントで採用してきました。しかし今後の成長を考えると、複眼的思考を持つゼネラリストも必要になるので、複数領域に携われる人材育成に取り組んでいます。採用に関してもゼネラリストのポテンシャルがあるかどうかに重きを置いています。
データドリブン人材に関しては、元々データドリブンな組織風土がありますが、もっとデータや数字に対する感覚、前提知識の底上げが必要だと思っています。そのため、BigQueryを駆使して自分が必要としている数字を把握するための基礎的なスキルをはじめ、データの分析スキルを高めるための取り組みを行っています。最近ではMMMを内製で行えるよう、人材の育成を行っています。
マスなキャンペーンとミクロな施策のバランスを見直す
──藤井さんはマーケティング組織が果たすべき役割、経営(事業)活動においてマーケティングがもたらすべき価値について、どのように考えていますか?
マーケティングには2つの役割があると思っています。1つは、PayPayが持っている良い商品やサービスの価値を的確に伝えることです。キャンペーンや各プロモーションを介して、ユーザーや加盟店などに我々の競合優位性を理解してもらいたいと思っています。
もう1つは、顧客の声と向き合いマーケットインでサービスを改善する役割です。これまではプロダクトアウト型で良いプロダクトをユーザーに届け、6,200万の規模まで成長してきました。ここからさらにユーザーを増やしていくには、顧客の声と向き合うことが重要になると考えており、その役割を担うのがマーケティング組織だと考えています。
──最後に現在掲げられている目標や今後の展望についてお聞かせください。
今後は超PayPay祭をはじめとしたマスなキャンペーンとサービスの改善や細かなキャンペーンといったミクロな施策のバランスを見直したいです。これまではマスなキャンペーンが話題となり大きく成長できていましたが、規模が大きくなる分効率は落ちています。ただ、マスなキャンペーンは既存ユーザーの継続などにも効くので、自治体や加盟店、メーカー様などの協力も得ながら、今後もお得で楽しいキャンペーンを提供したいです。

また、今後はPayPay=二次元コード決済ではなく、クレジットカードや証券、銀行などあらゆる金融サービスを展開していることを伝えるブランディングも必要だと思っています。