「なんでも買える・売れる」の認知につなげた「ウチの実家」
──ここまで流通総額の増加や利用者増加に向けた施策のお話を聞いてきましたが、ブランディングの観点で力を入れている取り組みはありますか?
流通総額を伸ばすためにはカテゴリーに特化した機能が重要とお話ししましたが、ブランディングに関しては「メルカリ」のコアバリューである「なんでも買える・売れる」という想起の獲得を重視しています。その獲得に直近で一番寄与したと考えているのが「メルカリ」で出会えるモノで作った「ウチの実家」です。

メルカリで出会えるモノ2,000点で居間や床の間などを再現し、「この商品が『メルカリ』で買える・売れるんだ」「懐かしい」と思ってもらえる体験を用意しました。結果としてメディア露出も多く、SNS上でも話題となりました。
──ウチの実家は、どのようなKPIのもと実施したのですか?
この施策に関しては、KPIを明確に決めずに実施しました。KPIを達成することよりも、とにかくリアルな実家を作り込むことを重視したためです。徹底した作り込みにより、取材で来たカメラマンやアナウンサーの方たちも、自分たちが「懐かしい」「見たことがある」と思うものに食いついてくださり、結果として様々な切り口でのPRにつながっていきました。
MAUの目標は4,500万、そのためのカギはBtoB
──マーケティング人材の育成・採用を課題に挙げる企業もある中で、御社が人材育成・強化の観点で注力していることはありますか?
5〜6年前と今を比べると、マーケターの採用は難しくなってきていると感じます。今はデジタルマーケティングの知見を前提に他の領域も理解している必要がありますが、どちらかだけでもよかった頃と比べるとハードルが高くなってしまいます。そのため、デジタルマーケティングに関する知見がある方を前提に採用し、そこから他の領域を覚えてもらえるよう、大きなキャンペーンのときはプロジェクトチームを立ち上げて様々な業務に携わってもらっています。
──最後に今後の目標や展望について教えてください。
現在の約2倍となる4,500万MAUまで伸ばしていきたいと考えています。そのためには、越境販売とBtoBtoCで販売する「メルカリShops」の拡大が必要です。
「メルカリShops」の拡大には、他のECモールと同様に広告機能などがないと企業の導入が増えないと思っています。直近ではアフィリエイトプログラム「メルカリアンバサダー」をスタートしました。その他にも、企業がメルカリに出店したくなるような機能を拡充したいです。