医食同源の考え方から行き着いた「発酵性食物繊維」の重要性
MarkeZine編集部:では、新ブランド「Fibee」のコンセプトなどを教えていただけますか。
石垣:新ブランドの開発にあたり、私たちは「医食同源」というテーマから、世界中の食文化とその地域の人々の平均寿命や死亡率、癌の罹患率といったデータを照らし合わせて調査を行いました。その結果、行き着いたのは「発酵性食物繊維」の重要性です。
少々マニアックな話になりますが、調査・研究を進める中で、人々の健康によい食文化として、南ヨーロッパの地中海食や、アメリカのDASH食(心疾患にかかりにくい食事形式)、北欧諸国で提唱されている新・北欧料理、日本の江戸時代にあった食養生などが見つかりました。これらの食文化にある共通点が「発酵性食物繊維」だったのです。
「かわいい」を入り口に!情緒的訴求で間口を広げる
MarkeZine編集部:Fibeeのマーケティング戦略についてもお聞かせください。
石垣:前述のとおりFibeeは、健康にはそれほど関心のない層にダイレクトに届けたいと思って設計したブランドです。そこで、ブランドを設計する際は「かわいい→おいしそう→体に良さそう」の順番で、健康意識がそれほど高くない人にも興味を持ってもらえるようにしようと考えました。

実際の施策については色々なアイデアが出てきましたが、最終的に着目したのは「推し活」です。おなかの中で暮らす腸内細菌のお友達を「Fibees」としてキャラクター化し、菌の推し活をしてもらおうというコンセプトに至りました。
機能性表示食品や特定保険用食品など一般的な健康食品の多くは、特定の機能を提示することで訴求を行っていますよね。その点Fibeeでは、「かわいい」といった情緒的価値をフックに訴求することで、健康意識が現時点で高くない人にも関心を持ってもらおうと考えたわけです。商品認知も大切ですが、キャラクターを先行して広げていくことで「善玉生活」という概念や考え方を普及させることを第一の目標にしています。
Fibeesによる概念普及にあたっては、こちらにあるグッズのように、食品に限らない展開を考えています。直近では、ブランドとFibeesを紹介するポップアップストアを都内2ヵ所で開催しており(2024年6月時点でポップアップストアは既に終了)、今後は絵本やウェブトゥーンなどを制作するアイデアなども出ています。
