ゆる健康市場のこれからに注目
MarkeZine編集部:これからウェルビーイング(健康)×食にまつわる市場は、どのように変化していくと思われますか?
石垣:近年は、研究者が科学的根拠に基づいて食を語ることも増えてきており、食×健康の市場は今後間違いなく大きくなると考えています。これまで、健康食品系の商品は、どちらかというと、未病ではなく病気になった後・不調を感じ始めた後に摂るものが多かったと思います。たとえば、コレステロール値を下げる、食後の血糖値や血中中性脂肪の上昇を防ぐ、といったものです。
ですが、これからは「日常的においしく食べる食品が、将来の健康にとって良い効果をもたらす」というような商品やカテゴリーがより注目されると思います。
「善玉生活」の概念を広げた先に事業成長を見据えて
MarkeZine編集部:最後にFibeeの今後の展開についてお聞かせください。
石垣:今年はテスト段階としており、自社ECをメインに、コンビニ、スーパーマーケット、ドラッグストア、宅配などで限定的に販売をスタートしています。Fibeeが生活者にどのように響くかを理解し、市場や購買層を見極める狙いです。なお、今後もD2Cブランドとして自社ECをメインに展開していく予定です。

また、現中期経営計画および次の中期経営計画でも、成長戦略の一つとして位置づけていますが、実は売上目標はあまり重視していません。直近3年で100億円の売上規模にまで成長させるという目標は一応あるのですが、何しろ新しい市場・消費者を開拓していくことになるので、売上規模よりも、まずは「腸内細菌を自ら育てて健康になる」という考え方を一般化していくほうが重要だと考えるからです。むしろこれを達成できなければ、Fibeeのブランドで掲げているビジョンは達成できないでしょう。
日本で善玉生活の概念を広げられた先には、海外へ輸出し、ブランドをより大きくしていきたいという展望もあります。まずは国内での浸透に努め、結果的に業績がついてくるような展開をしていければと思っています。