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【特集】進化するテレビマーケティング、現在の選択肢

増えていくテレビの選択肢をどう検証する?ホーユーが「MMM」+αで行ってきたテレビマーケの最適化

中長期で効果検証を行う難しさと重要性

MarkeZine編集部:ここからは、今後取り組むべき課題について伺っていきます。ホーユーのテレビマーケティングの次なる課題は何でしょうか?

竹生:現在、広告キャンペーンごとに行っている短期的な効果検証だけでなく、中長期での効果検証を充実させることだと考えています。特に、テレビCMは2年・3年と継続的に出稿することで、売上にどの程度貢献するのかを十分に検証できていません。

平尾:ちなみに、売上をKGIとし中長期で効果検証することは可能ですが、採る手法が少し変わってきます。具体的には、テレビCMにより“追加的に”高まる売上と、ベースとして蓄積されていく売上効果を区別して分析をすることになります。蓄積効果は、テレビCMを継続すると中長期で徐々に積み上がっていき、逆にテレビCMを止めると次第に溶けてなくなっていきます。

テレビCMには、中長期で発揮される効果が高いという特質がある
テレビCMには中長期で発揮される効果が高いという特質がある。徐々に積み上がっている一番下のベースが蓄積効果にあたる部分

竹生:溶けてなくなるといえば、私にも思い当たることがあります。ホーユーでは長年続けていたタイムCMを数年前に中止したことがあるのですが、その後、認知率やベースの売上が徐々に落ち込んでいることが確認されました。その要因の一つに、「タイムCMを止めたことによる影響」があると考えています。現在はタイムCMを再開していますが、好影響を確認できているため、その必要性を感じています。

平尾:この手の話になると、よく「短期成果は売上のため、中長期成果はブランドのため」という話をされる方がいるのですが、私はそのようなことはないと考えます。短期的な効果も中長期的な効果も、いずれも事業成長(=売上)のためのものになっているはずです。また、本質的に効率化を追い求めるならば、中長期でブランド・エクイティを蓄積していくことを考えるべきでしょう。そうでなければ、短期キャンペーンによる刈取型で、焼き畑になってしまいます。

社内外で横断的なパートナーシップをいかに機能させるか?

竹生:また、中長期的な効果を検証するためには、扱うデータの種類や数が増えることが予想されます。そのため、これまで以上に高度な専門知識が必要となり、すべてを自社で対応するのは現実的ではないと考えています。広告代理店や媒体社、ツールベンダーなど、各企業の強みを活かしたパートナーシップを築いていきたいです。

平尾:そうですよね、たしかにデータサイエンスの領域を事業主が完全に自前で装備していくのは、むしろ非効率だと考えます。データサイエンスの領域で支援事業を展開する各企業の特徴を踏まえ、“いいとこどり”のフォーメーションを組むスタイルが賢いでしょう。

 ただ、そのフォーメーションを組み、数社横断的にディレクションしていく際には、高い専門性が問われてきます。ここのディレクションに悩んでいる企業が現状多い印象です。

 現在は、複数社とのパートナーシップを前提とした効果検証の体制に移行しつつある、過渡期だと思います。ホーユーさんは先進的な事例であるとして、多くの事業主企業においては、ディレクションの機能を自社で持つか、パートナー企業のうちの1社に任せるかを考えた上で、必要なパートナーシップを構築していくという順序をとられるとよいと思います。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2024/06/18 09:30 https://markezine.jp/article/detail/45673

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