大規模リーチメディアとして外せないテレビCM
MarkeZine編集部(以下、MZ):Uber Eatsのマーケティングにおいて、テレビCMは現在どのような役割や位置づけとなるのでしょうか。
阿部:「リーチ」と「インパクト」の役割として捉えています。昨今は消費者の生活スタイルが変化し、視聴率や接触時間が低下している状況ではあるものの、「同じ時間に同じ番組を大勢の人が見る」日本の地上波テレビの公共性はまだまだ高く、世界的に見ても数少ないリーチメディアだと考えています。メディアプランニングの際はテレビCMを中心に議論していきますし、従来から重要なタッチポイントのひとつとして考えているのは変わりありません。
MZ:特に若者世代において、視聴率や接触時間の低下は顕著になっていると思います。Uber Eatsでは若者向けにメディア戦略を使い分けることもあるのでしょうか。
阿部:Uber Eatsのターゲットは小さな子どものいる若年層ファミリーなので、テレビを見ない人は増えてきていると思います。そのような傾向を踏まえ、メディアプランニングの際はテレビを中心に据えつつも、全体のバランスを考えることを徹底していますね。テレビ単体で考えるというより、コネクテッドTVやデジタル施策もあわせて十分なリーチが確保できるように、プランニングやアロケーションを進めています。
テレビもコネクテッドTVも、根本的な役割は同じ
MZ:テレビとコネクテッドTVをどちらも活用されていますが、それぞれの棲み分けはあるのでしょうか?
阿部:基本的な役割は一緒だと考えています。まず、弊社のマーケティングの第一目的は認知やリーチであり、獲得ではありません。そのうえで、テレビ、コネクテッドTV施策ともに、いかにリーチできるかや、費用対効果を高めていけるかを見ています。
ただ、各メディアのフォーマットは異なるので、サイズはもちろん、構成やメッセージの順番を変えるなど、細かく調整して最適化するようにしています。たとえば、YouTube広告の6秒のフォーマットであれば、動画の頭にブランドの一番大きなメッセージを持ってきたり、小さなスマホ画面で見る可能性のある広告であれば、対象を大きめに映したりといった調整が挙げられますね。