オプト・LINEヤフーに寄せられるLINE公式アカウント運用の課題とは?
オプトにはLINE公式アカウントの運用に関する相談が多数寄せられている。なかでも多いのが「どのように友だちを集めるべきか」「どのように配信すべきか」「集客×配信の最適マネジメントは」の三つだという。
こうした相談に対し、オプトが提案するのはLINEデータの活用基盤である「ビジネスマネージャー(※)」の活用だ。ビジネスマネージャーはLINE公式アカウントやLINE広告のデータと、自社データやサードパーティデータを統合できるデータ基盤で、データ分析はもちろんセグメント分けや最適な配信にも活用できる。
※LINEヤフー株式会社及び、グループ企業間で今後共有を予定しているオーディエンス等のデータは、ユーザー同意の範囲内のみが対象となります。
※ビジネスマネージャーで利用できるデータはユーザー許諾取得済みの情報のみとなります。
※構想中のため、実装有無や時期は予告なく変更される場合があります。
実際にオプトでは、LINE公式アカウントの配信で反応があった友だちのデータをLINE広告(友だち追加)に反映したところ、友だち追加単価を6割ほど抑制できたのだという。またクライアント企業の基幹データを活用して配信対象者を抽出し、LINE公式アカウントからクーポンを配布したところ、ROAS1,900%を実現した。早田氏は「データをもとに施策を実行することで、LINE公式アカウントを通じてより良い顧客体験を提供できました」と説明する。
LINEのユーザーIDのデータを分析し、適切な頻度で配信することで、ブロック率の抑制にも効果的だ。収益性の高い顧客とのつながりを維持するために、データを分析してブロックが増加する配信回数のしきい値を突き止め、一人当たりの上限配信数を定めたところ、購買回数の多い友だちのブロック率を抑制できたという。まさにLINE公式アカウントの体験を改善することでLTV向上につながった事例だ。
LINEのソリューションの可能性を一層拡充するミニアプリ
オプトが最近注目しているのがLINEミニアプリだ。その背景には「LINEミニアプリはオンラインとオフラインをまたいだユーザーとの接点になっていること」「LINEミニアプリの便利なサービスがあるからこそユーザーがLINEを使う意味が生まれること」「ユーザーの許諾を得て取得した様々なデータを活用すれば施策の幅が広がること」という三つの理由がある。LINEヤフーの川代氏も「圧倒的な強みとなっているのが、オフラインの顧客接点をデジタル化できる点にある」と同意する。
これらのポイントを踏まえ、オプトが取り組んでいることが二つある。一つは、直接顧客との接点を持てない消費財メーカーを対象にした施策だ。
消費財メーカーの場合、小売店を通じて商品が供給されるため顧客との接点をなかなか持てないというジレンマがある。これに対し、オプトはLINE公式アカウントとLINEミニアプリを活用し、商品シールにある二次元コードを読み込んで会員登録をしてもらうキャンペーンプログラムの仕組みを開発した。これによりメーカーの事業戦略に合わせた販促キャンペーンの実現など、データを活用した戦略設計を可能にしたという。
もう一つが、店頭におけるユーザー登録の改善だ。近年、小売店や飲食店ではカードタイプの会員証の代わりにLINEで表示する会員証を発行する店舗が増えている。確かに利便性は高いものの、会員になるには自分の住所氏名などを入力する手間もあり、店頭で案内されてもその煩雑さを避けるために会員登録を行わないという顧客も一定数いる。
こうした課題に対し、オプトが実装したのはLINEミニアプリを使って会員登録不要でポイントを貯められる「デジタル仮会員証」だ。仮会員登録をすればLINE公式アカウントの友だち数もスムーズに増加するため、ユーザーのLINEアカウントと会員データのID連携数や本会員数も増えていったという。さらにECサイトへ送客することでECの売上もアップし、LTVも向上した。これも店頭の会員登録体験を改善することでLTVが上がった事例だ。
※LINEアカウントと紐づいた行動データの取得・活用にはユーザーの許諾が必須となります。