アクセンチュアの資産“人”を活かし、時間とスキルを社会に提供していく
――アクセンチュアが取り組む「Responsible Business」のうち、今回の特集のテーマである「企業市民活動」について、お聞かせください。
アクセンチュアでは先ほどお話ししたように、本業そのものを通じて社会の課題を解決したいと思っているほか、様々な知見を持つ社員の「時間とスキル」を積極的に無償提供し、非営利団体などとのパートナーシップを通じて社会課題の解決を目指す「企業市民活動」の取り組みも行っています。企業を社会の一員と捉え、義務で取り組むのではなく、自ら主体的に社会の役に立っていこうというスタンスです。
コンサルティング企業であるアクセンチュアの資産は“人”であり、社員の持つスキルと創意工夫が最大の経営資源です。
アクセンチュアには、私のような戦略コンサルタントをはじめ、IT技術に詳しいエンジニア、さらにはデザイナーやマーケターなど、様々な強みを持った社員がいます。
このように多様な専門性を持つ社員が、本業を通じて培った知見と専門スキルを活かして社会に貢献する「企業市民活動」に参加しているのです。2010年からは、「Skills to Succeed(スキルによる発展)」をアクセンチュアの世界共通のテーマに掲げ、各国の課題に応じたスキル習得の機会を人々に提供し、人材を育成する活動を行っています。
日本におけるSkills to Succeed のテーマ
――アクセンチュアは現在「企業市民活動」として、どのようなことに取り組まれているのでしょうか?
現在は人々の働き方と暮らしの向上を支援する「Skills to Succeed」の取り組みを、日本における課題を分析した上でテーマを設定し、各領域で展開しています。
Skills to Succeedの日本における取り組み領域
・グローバル人材育成
・就業力・起業力強化
・経済的自立支援
・就業者リスキル
・STEM人材育成
・障がい者就労/自立支援
・チェンジメーカー創出
たとえば「グローバル人材育成」は、2010年のプロジェクト開始当時、日本においてグローバルに活躍できるリーダー人材の育成が課題とされていたことから発足しました。これは単に英語力を鍛えるものではありません。日本の教育システムは、1つの正解を求める問題解決能力の育成には長けていますが、独創的なアイデアを生み出す能力を育むには不十分との見方があります。このギャップを埋めることが重要であるという認識から、模範解答のない問いを考える」という意味での「グローバル人材育成」がテーマとして設定されました。
「STEM人材育成プロジェクト」では、小学生を対象に、社会課題の解決を行うロボットを組み立てるプログラミング教室を提供したり、「就業者リスキル」プロジェクトでは、子育てや介護などで仕事を離れたシングルマザーの女性をデジタル技術のリスキリングで支援したりしています。

アクセンチュアが携わった社会貢献活動の一例として、アクセンチュアの支援のもと2024年に開校した「さやか星小学校」のプロジェクトについてインタビューしています。より具体的な活動例が知りたい方は、MarkeZineプレミアムの記事『アクセンチュアが小学校を?課題とも思われていない社会課題に挑む「さやか星小学校」プロジェクト』をご覧ください。