REVISIOは、7月31日、2023年度(2023年4月1日~2024年3月31日)に放送されたテレビCMの中から、視聴者の視線をくぎ付けにしたテレビCMのランキングを業界別に公開した。
同分析は、同社が持つテレビCMのクリエイティブを評価するための独自指標「クリエイティブスコア(以下、Cスコア)」を用いて算出したもの。今回は「2023年度内に関東で初回放送があり、500GRP以上出稿された15秒または30秒CM」かつ、「年末年始やW杯開催時などの通常と異なる見られ方をする期間に出稿を開始したCMを除外」したものの中から、全31業界のテレビCMを業界別にランキング化した。
調査の結果、特に高いCスコアを獲得したものは以下の3つだった。
金融:アイフル「『ミニパト女将』篇 30秒」(Cスコアは127)
アイフルに限らず、消費者金融系のテレビCMではサービス内容の訴求に制限があり、商品の説明シーンは極力省かれる傾向に。その上で、人気タレントや芸人を起用したコミカルで派手な内容のクリエイティブとなっているので、結果的に注視が高くなる傾向にある。
娯楽:任天堂「帰ってきた 名探偵ピカチュウ『変装は探偵の基本だからな』篇30秒」(Cスコアは120)
同テレビCMは、ゲームをプレイしている人たちが登場したり、プレイ画面をつなぎ合わせたりするクリエイティブ。その上で、ナレーションや説明のためのカットはほとんどないため、視聴者自身がその場でゲームを操作しているような感覚になり思わず画面を見入ってしまう設計になっていた。
保存食品:日清食品「完全メシ『完全なるバランス』篇30秒」(Cスコアは123)
同社は、面白さやインパクトを重視したテレビCMを展開。アニメーション・芸人のギャグ・歌などで構成されるクリエイティブがほとんどで、商品の説明らしいシーンは存在していないという。
そんな中で、1位となった同テレビCMでは、大山のぶ代さん時代のドラえもん風の声と通販番組風の演出にすることで、商品を並べるだけのCMにも関わらず注視を獲得できていた。
これらのテレビCMを踏まえてREVISIOは、Cスコアが高いテレビCMは、いずれも共通して商品の説明カットが少なくテレビCMらしくないクリエイティブであると分析している。
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