難易度が非常に上がっている「アプリマーケティング」
MarkeZine編集部(以下、MZ):今回は、成果につながるアプリマーケティングについてうかがいます。まず世の中の「アプリマーケティング」の流れをどのように見ていますか。
盧:アプリ業界全体を見ると、新規ユーザー獲得のハードルが格段に高くなってきました。日本でモバイルアプリが本格的に普及し始めた10年以上前は「新たな体験」として、様々なアプリをインストールしてみる方が多かったのではないでしょうか。アプリが普及した今は、日常的に使われるアプリの数も限られてきています。この状況は日本に限らず、スマホが普及して10年以上たった国はどこも同じような状況にあるでしょう。
もちろん、アプリ事業者が向き合うべきは新規ユーザー獲得だけではありません。「アプリの認知→アプリストアからインストール→初回起動→アプリ継続利用」といったアプリマーケティングにおける一連のプロセスを総合的に考えることが、アプリのグロースにおいて重要だと考えています。
Wang:アプリマーケティングの分野は、プライバシー保護の強化や広告入札の競争激化を背景に、ユーザー獲得に関する様々な課題が増えており、これらの課題を解決するため、アプリ広告の配信手段もより多様化しています。それぞれの市場特性を理解し、適切な戦略を立てることが、今後ますます重要になっていくでしょう。したがってマーケターは様々な情報をキャッチアップするために、常にアンテナを張り巡らせることが求められています。
「まだ成長の余地がある」TikTokのプロモーション戦略
MZ:Tiktokでは、プラットフォームを多くの方々に活用してもらうため、どのようなプロモーション戦略を立てているのでしょうか。日本の生活者のアプリ事情もふまえてお聞かせください。
盧:TikTokは既に多くのユーザーに利用されているアプリですが、まだ成長の余地があると考えています。特に日本市場では多くの伸び代があり、まだリーチできていない層や地域におけるユーザーの獲得に注力しています。
盧:インストール施策では、幅広いコンテンツと素材を活用し、複数の広告キャンペーンを展開しています。
TikTokはコンテンツプラットフォームであるため、ターゲットとするユーザーが非常に広いです。そのため、決済アプリなど目的が明確なアプリと比較して、インストールへのハードルが高いことが特徴です。好みのコンテンツや、インストールのモチベーションは人それぞれ異なるため、多様な素材や媒体、モチベーションをフックにしたキャンペーンを同時並行で展開しています。
これらを限られたリソースの中で実行していくため、最も効率的な運用を行うことを意識しています。