「ユーザーに誤解を与えない」を徹底
MarkeZine編集部(以下、MZ):改めて「SUUMO」についてサービスの特徴や強みを教えてください。
立花:SUUMOは不動産・住宅に関する総合情報サイトです。Web版とアプリ版でサービスを展開しており、賃貸住宅・マンション・一戸建てなどの様々な物件情報を住みたい駅や街、エリアをはじめとした様々な条件で絞り込んで検索することができます。
立花:当社では日本の老若男女様々なユーザーにとっての「より良い住まい探し」を追求し、時代やニーズの変化に合わせてSUUMOにおけるサービスの改善・新機能の追加などを常に行ってきました。こういった改善を通して現在では、賃貸物件や売買物件に限らず注文住宅やリフォームについても取り扱うように。「どんな家を建てたいか」「どんな風にリフォームしたいか」といったイメージ段階からの住まい探しが可能です。
MZ:プロダクトの改善を行う際に意識されているポイントは何かありますか?
立花:私たちは「誰もが自分にとって最適な住まいに出会い、充実した暮らしができる社会」を目指し、その実現に向けて必要な機能やサービスを考えながらプロダクト改善を行っています。
また、プロダクトの改善を考える際には、「ユーザーに誤解を与えるような表現」になっていないかという点には細心の注意を払っています。ユーザーが正しい情報に気軽にアクセスできる状態であることが非常に重要です。
「アプリ版」を使い続けてもらうための工夫
MZ:Web版とアプリ版でサービスを展開しているSUUMOですが、それぞれで機能の違いはありますか。
宮本:前提として、Web版の場合はブラウザで検索すればすぐに使えるのに対して、アプリ版はインストールしなければ利用できません。ユーザーにこのひと手間がかかってしまう分、アプリ版では繰り返し使い続けてもらうための機能面での工夫が必要です。
宮本:たとえばアプリ版には、アプリを起動するたびにユーザーに合わせてホーム画面上でパーソナライズされたレコメンドが表示される機能を導入しています。利用するデバイスによっても最適なUIは異なるものですが、このようにユーザーのニーズに合わせて最適なコミュニケーションを最適な媒体で図れるように工夫しています。
MZ:Web版とアプリ版をどのように使い分けてユーザーとコミュニケーションを図っているんでしょうか?
宮本:賃貸物件か売買物件かなど、ユーザーが興味を持つ領域によって我々がコミュニケーションにおいて重要視すべきポイントは異なり、それにともなって施策の方針も変わります。たとえば、新築マンションの購入のように検討期間が長く、ユーザーと関係をしっかりと築かなければならない領域では、繰り返しの利用に便利なアプリで体験価値を高めることが、ユーザーが理想の住まいに出会うために重要です。そのため、Web版のSUUMOを利用している方に対してはアプリへの案内を行っています。一方、年度の変わり目などの引っ越しシーズンでは、賃貸物件を探す目的でWeb版に訪れる方が多くなります。そういった方々に対しては特にアプリへの案内は行いません。
アプリとWebの両方で目的に合わせて適切なコミュニケーションを行い、プロダクト全体のKPIを上げることを意識しています。