事業者とワーカーのバランスを保ちながら、スポットワークの機会を増やす
──はじめに、中川さんの現在のミッションをお聞かせください。
中川:求人を出してくださる事業者の見込み顧客の獲得と、ワーカー側の獲得の両面に加え、双方のマッチングに関してのマーケティングを担当しています。事業者側に対しては、デジタルを始めとした各種アプローチで定期的に接点を持ち、必要なタイミングで「タイミー」を思い出していただけるようにしています。ワーカー側へは、マス広告やデジタルマーケティングによる新規ユーザー獲得施策のほど、「タイミー」のアプリ内でキャンペーンなどを企画実行し、使い始めと継続利用の促進をしています。
「タイミー」のような2サイドプラットフォームにおいては、事業者とワーカーのバランスを取ることが大切です。事業者側だけが多いと、「求人を出しても人が来ない媒体」と思われてしまいますし、逆にワーカーが多くすぐに求人が埋まってしまうと、「仕事があまりない」という不満につながってしまいます。私のミッションは、事業者とワーカー双方のマッチングを増やして、プラットフォームを大きくしていくことです。
シニア・プレシニアのワーカー数が1年で約2.1倍に
──「タイミー」の現在の事業者とワーカーの数を教えていただけますでしょうか?
中川:全体の導入企業社数としては約13万6,000社、拠点数で言えば29万7,000の拠点で利用いただいています。「タイミー」は現在、47都道府県で使える状態になっており、ワーカーの登録者数は900万人です。
──「タイミー」は面接・履歴書なしで働ける手軽さから、老若男女問わず幅広い層の方々に利用されていますが、シニア・プレシニアのワーカーも増えていると伺っています。現在のシニア・プレシニア層のワーカー数とこれまでの推移などを教えていただけますか?
中川:2023年3月の55歳以上のワーカーは約18万人でしたが、2024年3月時点で約38万人まで増えています。定期的にワーカーとのミートアップの場を設けていますが、数年前と比べてシニア・プレシニアの方は目に見えて増えている印象です。ちなみにワーカーの最高年齢は88歳です。
──なぜここ数年で、シニア・プレシニアのワーカーが増えているのでしょうか?
中川:「タイミー」はサービス開始当初は若年層向けのサービスという印象が強くありました。コミュニケーションの仕方を変えていったところ、徐々に年齢層が広がっていき、シニア・プレシニア層のワーカーも増えていった形です。
ただし、年齢等のデモグラ情報に合わせた訴求を行ったわけではありません。ワーカーへのインタビューを通じて「タイミー」が提供できる価値について深掘りし、それをマーケティングコミュニケーションの中に組み込んでいった結果、自然とユーザー層が拡大していったのです。