※本記事は、2024年10月刊行の『MarkeZine』(雑誌)106号に掲載したものです
【特集】令和時代のシニアマーケティング
─ シニア・プレシニアのワーカーが急増。日本のスポットワークを牽引する「タイミー」が感じ取るインサイト
─ 日本ロレアルCCO・花王「サクセス」ブランドマネージャーが語るシニア世代へのアプローチと顧客体験
─ シニア市場はニッチの集積、シニアを知るための4つの切り口と時間の捉え方
─ 1980年代の「新人類」がシニア期へ突入 シニアマーケが大きく変わる潮目を捉えよ
─ デジタルもアナログも 多様な接点を介してサントリーウエルネスが捉えるシニアの健康とインサイト
─ “リタイア後の楽しみ”ではない。「大人の休日倶楽部」に聞く、人生100年時代におけるシニア×旅(本記事)
JR東日本のシニア向け会員サービス「大人の休日倶楽部」とは
──まず、「大人の休日倶楽部」とはどのようなサービスなのか教えてください。
本室:「大人の休日倶楽部」は、「満50歳以上の旅と暮らしを応援する」をコンセプトとした、JR東日本が運営するシニア向けの会員サービスです。満50〜64歳までの方は「ミドル」、満65歳以上の方は「ジパング」という2つの会員種別で構成されています。
本室:「大人になったら、したいこと。」をテーマに、割引きっぷや限定イベント、カルチャースクールなど、鉄道旅だけに限らない、ライフスタイルの提案をしています。特にご好評いただいているのは「大人の休日倶楽部パス」という、JR東日本・JR北海道エリア全線が5日間乗り放題になる割引きっぷです。毎年利用期間になると、会員が一斉に動きだすため、積極的にご利用いただいていることがうかがえます。
──「大人の休日倶楽部」と言えば吉永小百合さんのテレビCMでもおなじみですね。知名度の高いサービスであると思われますが、どのくらいの会員数を抱えているのでしょうか?
本室:国鉄時代から前身となるサービスはあったものの、現在の形となった2005年から数えると、累計280万人を超えました。会員層は非常にアクティブで、鉄道でゆったりと旅することが好きな傾向にあります。マーケティングの観点で見ると、「大人の休日倶楽部」会員の方々はJR東日本にとって、ロイヤルカスタマーの位置づけですね。