大規模な会員組織を活かし、リアル×Webでインサイトを収集
──お話しいただいたとおり、シニア層といっても年齢に幅がありますし、考え方や働き方も多様化している時代だと思います。サービスの訴求をするにも工夫が必要となりそうですが、「大人の休日倶楽部」ではどのようにコミュニケーションを取っているのでしょうか?
本室:インサイトを掴むための手段としては、定期的に会員に向けたWebアンケート調査を実施しています。大規模な会員組織をベースに、直接意見を聞けることは、「大人の休日倶楽部」ならではの強みだと思いますね。
また、「JRE POINT」や「JRE MALL」といったJR東日本のポイント関連サービスも、情報提供していくうちに少しずつ利用者が増えてきています。年齢別や男女別で、ポイントをどんな商品と交換しているのかなどの傾向はウォッチしていますね。
──アンケートやECサイトでの傾向など、インサイトを探るのはWeb上のみなのでしょうか?
本室:いいえ、対面でお話を聞く機会も大切にしています。最近増えているのは駅頭の社員による相談会を開催したり、「駅たびコンシェルジュ」という相談窓口では、「大人の休日倶楽部」会員のみなさんにゆったりお過ごしいただきながら、「えきねっとでの予約の仕方」、「JRE POINTの活用方法」などのご案内を随時開催中です。お客様からは「直接相談できる機会があってよかった」といった反響をいただいています。
お客様からの生の声は、マーケティングに役立つのはもちろん、社員のモチベーションアップにも寄与しており、現場が積極的に相談会を設けるようになりましたね。やはり対面で交流することのメリットは強く感じますので、これからもWeb・リアルともにコミュニケーションの場を作っていきたいと考えています。
──宣伝、販促でのアプローチにはどんな手段を活用されていますか?
本室:既存の会員に向けては、毎月会員誌を発行しているため、リアルのタッチポイントが月に1回必ずあります。しかし、それだけに頼らず接触回数を増やす工夫はしており、SNSやメルマガも運用中です。
新規入会訴求では、従来からやってきたテレビCMでの認知促進はもちろん、Webでの入会キャンペーンにも注力しています。仕事でPCを使いこなしてきた世代が入会しているタイミングなので、「高い年齢層だからWebの反応が悪い」といった傾向はなくなってきましたね。
“若い”シニアが増加中。足を止めず、そのとき求められるサービスを
──最後に「大人の休日倶楽部」の今後の展望について教えてください。
本室:日々お客様の声を聞いていると、率直に「若いな」と感じる元気でアクティブなシニアの方が増えてきていると実感します。今後も変わっていくお客様のニーズをしっかりキャッチアップしながら、そのとき求められるサービスを磨き上げて提供することに努めたいです。また、「学び」に興味関心のある会員が多いので、東日本エリアの地域の知られざる魅力を深掘りして発信するコンテンツは作り続けていきたいですね。
加えて、「えきねっと」なら並ばずにきっぷを購入いただけますので、引き続き「大人の休日倶楽部」のみなさんにもその便利さをお伝えしていきます。ときにITの技術も活用しながら、素敵な休日を快適に自分らしく楽しむシニアの方が、少しでも増えてくれたら嬉しいです。