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『MarkeZine』(雑誌)

第108号(2024年12月号)
特集「2025年・広告の出し先」

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MarkeZine Day 2024 Autumn

【例えば】AIに罰ゲームのアイデアを聞いて、ありきたりな「ケツバット」が返ってこないようにする方法

 戦略、クリエイティブの企画立案において、AIは「人間にしかできないこと」を超えて、より魅力的なアウトプットを提供する存在となるのか? それとも、AIをうまく活用することで、人間がより高いレベルのアイデアを発想・構想できる時代が到来するのか? MarkeZine Day 2024 Autumnには、放送作家の白武ときおさん、THE GUILDの深津貴之さん、博報堂/SIXの藤平達之さんが登壇。「AI×企画術」の切り口で、トークセッションが行われました。

「企画のプロ」と「AI活用のプロ」がトーク

藤平:隣の会場でバーガーキング急成長の理由が明かされている中で、みなさんこちらのセッションに来ていただいてありがとうございます(笑)。このセッションのテーマは「AI×企画(発想)」です。続々と人気コンテンツを生み出す放送作家の白武さんに「企画術・発想術」をお聞きし、深津さんにAIでその企画術を再現する方法を教えてもらうという、チャレンジングな構図で進めていきます。まずは、白武さん、深津さん、簡単に自己紹介をお願いできますか。

【左】モデレーターを務めた博報堂/SIXのクリエイティブ・ディレクター 藤平達之さん【中央】放送作家の白武ときおさん【右】THE GUILD CEO / UI/UX Designerの深津貴之さん
【左】モデレーターを務めた博報堂/SIXのクリエイティブ・ディレクター 藤平達之さん
【中央】放送作家の白武ときおさん
【右】THE GUILD CEO / UI/UX Designerの深津貴之さん

白武:放送作家の白武ときおです。テレビ番組やYouTubeなどのスタッフとして、主にお笑い系のコンテンツを軸足に様々な媒体で活動しています。

深津:THE GUILDの深津です。世間的にはnoteのCXO(チーフ・エクスペリエンス・オフィサー)として知られているかもしれませんが、最新技術を導入してクライアントの新規事業開発やサービス向上を支援することがメインの仕事です。

「問いの形」を変えることでAIの精度は上がる

藤平:では、さっそく本題に入っていきたいと思います。白武さんは、普段、企画を考える時にAI使われていますか?

白武:使っています。たとえば、バラエティ番組の「以心伝心ゲーム」のお題を考える時にたくさん案を出してもらったり、あとは罰ゲームのアイデアで自分からは出てこないようなものがないかを試したりしています。

藤平:具体的なアイデア出しのサポート的な役割でAIを使っているということですね。企画案を出す手前の段階では、どのようなインプットをしていますか?

白武:基本的に、流行中の作品はチェックするようにしています。最近で言うと、Netflixの『地面師たち』とか、Amazon Originalの『ラブ トランジット』とか。話題のものを見るのは、普通に楽しみたい気持ちもありますし、なぜウケているのか分析したい気持ちもあります。また、アイデアが被らないようにしたい今後パロディするかもしれないからなどの理由もあります。

 面白いと思う要素を抽出してAIに「これらの要素がある恋愛リアリティショーを考えてみて」と指示を出したりすることもあります。

藤平:ヒット作をモチーフに新しいアイデアを探っていくという形で、AIをアイデア出しにA使われる方は多いと思いますが、深津さん、この精度を上げるコツとかってあるんでしょうか?

深津:基本的に、AIはインターネット上の情報を基に統計的に「ありそうな答え」を出すのが得意なマシンなので、独自性のあるアイデアを引き出すにはプロンプトの工夫が必要ですね。

 具体的には、問いの形式を少し変えてアプローチすることが大切です。たとえば、僕はよく「私の企画に駄目出しをして」というプロンプトを使います。すると、AIは典型的な駄目出しをしてくれるので、そこからどう改善するかを考えます。さらに、「なぜその企画が駄目なのか?」と質問を続けると、より深い洞察が得られたりします。

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/11/01 09:00 https://markezine.jp/article/detail/47027

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