BtoBブランディングでは「ポジショニング」が重要
ブランドイメージは、製品やサービスの特徴だけでなく、企業のビジョンやミッション、そして市場におけるポジションなど、総合的な認識に基づいて形成されます。ですが、まずは、ターゲット顧客の視点で、自社および同カテゴリーにいる競合他社がどう認識されるか(ポジショニングに影響されるブランドイメージ)が重要です。
ポジショニングを分析する際、みなさん他社のホームページやIR資料などから、情報をまとめていくと思います。ですが、それはあくまで初期段階の参考情報に過ぎません。これを材料に最終的な自社のポジショニングを判断するのは大きなリスクを伴います。

特に、BtoB企業においては、顧客の実際のイメージや市場での評価は公開情報だけでは把握できないことが多いため、より深い調査が必要です。BtoC企業以上に、慎重かつ客観的な調査と深いポジショニング分析が、BtoB企業のブランディングに必要不可欠なのです。
純粋想起を高めるBtoBマーケティング6つのポイント
では、ここからはBtoB企業がマーケティングで純粋想起を高めるためのポイントを解説していきます。
純粋想起率を高めるためには、以下のステップを踏むと効果的です。タクシーや屋外広告、新聞広告などのメディアの手法ではなく、そこに至る手前にあるマーケティングの戦略について解説をします。
1.純粋想起を高めるカテゴリーの定義づけ
純粋想起率を高めるにあたり、「カテゴリーエントリーポイント」という考え方は無視できません。
カテゴリーエントリーポイントとは、顧客が特定のカテゴリー内で製品やブランドを検討し始める際の「きっかけ」や「状況」を指す言葉。顧客がどのような状況・文脈で、そのカテゴリー内の製品・ブランドを思い浮かべるのかという、顧客の購買行動における初期段階のポイントです。
純粋想起を高めるということは、特定のカテゴリーにおける想起性を高めるということなので、このカテゴリーエントリーポイントという考え方は非常に大切で、さらに言えばどのカテゴリーで戦うかを決めることが重要となります。
古い例ではありますが、「チョコレート」というカテゴリーではなく、「小腹がすいたときに」というカテゴリーにおいて戦うことにより強い想起を獲得し売上を高めたスニッカーズは非常に有名ですよね。BtoBにおいても同様の考え方を導入することは可能です。
たとえば、セールスフォースは、クラウドベースの顧客関係管理(CRM)ソフトウェアというカテゴリーにいますが、顧客視点で見ると、「デジタルトランスフォーメーションを進めたい」というニーズによる区分になるかもしれませんし、「MAツール」というツール区分になるもしれません。
自社のサービスやプロダクトを、どのような顧客視点におけるカテゴリーで思い浮かべてほしいか? ここから逆算して、自社のカテゴリーを定義づけすると良いでしょう。