オウンドメディアを始めるなら「載りたい」と思える社内文化を
私たちの採用ホームページで言うと、入口は動画コンテンツを置くのが良いと考えています。動画であれば、社員の空気感や会話の温度感なども伝わりやすいためです。
それらが伝わるような動画を軸にしつつ、会社への理解をより深めたい学生に向けて、「People」のようなテキストの情報を用意する。実際に会社への関心が高い学生は、「People」のページを読み込んでくれる傾向があります。
特にオンライン就活になってからは、私たちからも学生からも“オフ”の瞬間が見られないという課題があります。対面であれば、会社で働く社員同士がどういうコミュニケーションを取っているかが見えたのですが、オンラインの時代になるとそれが見えない。なので動画を通して、実際に社員が話している空気感や会社の雰囲気が見えることは非常に大事なことなんですよね。私たちサイバーエージェントも4次選考まではオンラインで面接なので、そのような “オフ” の情報は動画でカバーするようにしています。
━━なるほど。サイバーエージェントさんにおいて、採用コンテンツで顔出しを嫌がる社員はあまりいらっしゃらない?
サイバーエージェントでは活躍している社員が採用に関わるカルチャーがあるため、採用に関わることがある種の誉れなんですよね。なので私たちから社員に対してオウンドメディアへの出演を依頼したときには、みなさん「ぜひやらせてください」と快く受けてくださる方がほとんどです。これに関しては、このようなカルチャーを根付かせてくれた過去の社員たちに感謝しているところではありますね。
ということはつまり、オウンドメディアを始めるならば、同時に社内での文化作りも始めていく必要がある。学生からだけではなく社員からも「私もオウンドメディアに載りたい」「採用に関わりたい」と思ってもらえるように、社員一人ひとりがスターになれるような仕組みを作っていくことが大切なんでしょうね。
現場社員が「採用広報に前向きになる」仕組み
━━最後に採用広報を担当する方々に向けて、明日からすぐにできそうなことを一つ教えてください。
採用広報においては、人事や広報だけでなく、現場の社員も採用広報の発信に前向きになってもらうことが重要であると考えます。ですので私たちは日頃から、内定承諾者や若手へのアンケートで「入社の決め手になった社員」という項目を聞くようにしており、さらにそれを社員本人に必ずフィードバックするようにしています。
そのフィードバックによって、その社員の採用広報に対するモチベーションは上がりますし、それこそ活躍している若手社員と入社の決め手になった社員の対談で、そのエピソードをそのまま記事として採用コンテンツにすることもできると思うんですよね。
入社の決め手になった社員は、要は採用広報で前に打ち出すべき人材であり、求職者に対して届けるべき情報であると思うので、まずは実際にアンケートを採ってみて、その結果から着想を得てみるのはいかがでしょうか。
━━これなら明日からすぐにできそうですね。田内さん、本日はお話ありがとうございました。