チャット投票でシビックをカスタマイズ?ホンダのキャンペーンを紹介
━━実際に広告を展開しているブランドの事例を教えてください。
自動車メーカーの本田技研工業は、2024年7月に同社が展開する製品「シビック」最新モデルのプロモーションを行っており、その一環として当社のeスポーツトーナメントシリーズ「Twitch Rivals」の独占自動車パートナー契約を締結。Twitch Rivalsのファンコミュニティ上でキャンペーンを展開し、eスポーツ分野でのブランディングを行いました。
具体的には、最新シビックのデザインカスタマイズをライブストリーミング上で実施。視聴者からのチャット投票で、リアルタイムでカスタマイズを行うというものです。カスタムされたシビックは最終的にTwitchCon 2024で発表。コミュニティメンバーの1名にプレゼントされました。
またニューヨーク発のメイクアップブランドのMaybelline New Yorkは、新作マスカラのローンチに合わせて、Twitchでインフルエンサーマーケティングを展開しました。
ストリーマーのFasffy(ファスフィー)氏と2時間の配信を行い、ライブで実際に新作のマスカラを活用してメイクをするというものです。編集されていないライブ感や本物感が非常に好評で、マスカラはライブコマースですぐに売り切れました。
Twitch CMOが考える、マーケティング業務で最も大切なコト
━━インフルエンサーマーケティングは比較的新しい分野です。成功のためにアドバイスがあれば教えてください。
Twitch上での施策に限らず、インフルエンサーマーケティングを行う上で大切なことは、次の三つだと考えています。一つ目は、ブランドがリーチしたいターゲット層や予算、コンセプトなどを詳細まで理解してくれる適切な担当者に受け持ってもらうこと。
二つ目は、代理店やプラットフォームと密に連携し、ブランドや製品対してパッションを抱き自社を代弁してくれるインフルエンサーを発見すること。
そして三つ目は、ブランドとインフルエンサーが協力して、彼らが持つコミュニティに響くコンテンツを一緒に作成すること。
これら三つを意識した上で、場合によっては複数のインフルエンサーを起用することでメッセージの伝え方に多様性を持たせることも有益でしょう。発信内容のエンターテインメント性が高まり、視聴者を飽きさせることなく繰り返しメッセージを発信することが可能になります。
━━最後に、MarkeZineの読者にメッセージをお願いします。
マーケティング業務を行う上で最も重要なことは、「自分が消費者の立場になり切ること」だと考えています。データや指標を見て施策を考えることも大切ですが、それに頼りすぎるのではなく、ターゲットオーディエンスの立場を想像して施策に対してどのような感情を抱くのかを考えることが大切です。
Twitchでの広告であれば、先述の通り自分がリーチしようとしているコミュニティのカルチャーに実際に参加すると良いでしょう。そのコミュニティにあるコンテンツを実際に消費することにより、文化やエコシステムへの理解を深めることが可能です。そのような実体験を通じることで、コミュニティが自分にとっても身近な存在になるため、消費者に共感されるマーケティング戦略を立てるのに役立ちます。
皆さんもコミュニティを体験し、深く理解することで、真に響くマーケティング活動を推進していきましょう。
