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「ローカルとグローバルで価値を最大化」パナソニック スポーツの描く成長戦略


企業がスポーツチームを持つ意義とは?

――数多くのスポーツチームを運営するパナソニック スポーツですが、パナソニックブランドに対してスポーツが与えている影響をどのように捉えていますか。

 定点的に調査を行うと、スポーツがブランドに良い影響を与えている結果が出ています。もちろん、それだけで成功していると判断するのは難しいですが、パナソニックにとってスポーツは大きな価値があると思っています。

 特に、若年層や女性へのパナソニックブランドの訴求に関して、スポーツが貢献できるチャンスはあると思っています。

 バレーボールは若い女性に人気のあるスポーツであり、大阪ブルテオンが活動をしていくことで、有効なアプローチが可能になるのです。

 また、様々なスポーツチームを保有することで、アプローチできる層も増えていきます。パナソニックブランドのテレビCMや各種広告、商品とコラボレーションしたり、試合での取り組みにパナソニックブランドを絡めたりすることで、ブランドとの接点が薄い層とのつながりを強めていきたいです。

グローバル展開とファンコミュニティを強化

――最後に今後の展望について教えてください。

 大阪ブルテオンはアジア展開に積極的にチャレンジします。2024年もフィリピンやタイで大会を開きましたが、来年はインドネシアでも大会を開きたいと考えています。

 いずれはバレーボールの盛んなヨーロッパへも活動の幅を広げることも考えているので、選手たちにその意義を伝えたり、育成部門から環境を整えたりということもやっていきたいです。

 また、パナソニック スポーツとしては、スポーツビジネスの概念を変える取り組みをしたいと思っています。興行スポーツの売上は多くの場合、試合数×会場の収容人数×チケット単価で構成されています。ここが満員になると、グッズやファンクラブなどから収益を得る形となりますが、それにも限界があります。

 そこで、より地域の方にスポーツと触れ合っていただけるコミュニティを作りたいと考えています。具体的には、ガンバ大阪公式、大阪ブルテオン公式といったコンテンツ側が運営するスポーツバーを作っていきたいと考えています。

 ガンバ大阪の場合、大阪からホームスタジアムのある吹田までは距離があり、ホームゲームを見るのも気軽ではありません。アウェイゲームともなればもっと行動力が必要です。しかし、ガンバ大阪公式のスポーツバーが大阪の中心地にできれば、ファンの方々は仕事帰りでも、雨の日でも、アウェイの試合の日でもチームを応援することができるようになります。

 試合にいきなり知り合いを誘うのはハードルが高かったのが、スポーツバーであれば気軽に誘えます。ファン同士がより仲良くなる場としても機能するはずです。

 アリーナを拡張したり、新たに作ったりすることに比べればバーを作るコストは少なく済みます。バーでの試合観戦が増えれば、試合会場での観戦に対する価値はもっと高くなっていくと考えています。

 まだ構想段階で実証実験を始めたばかり。具体的なプランはこれからですが、スポーツの持つ価値を最大化できるような取り組みを今後も展開していきたいです。

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この記事の著者

タカハシ コウキ(タカハシ コウキ)

1997年生まれ。2020年に駒沢大学経済学部を卒業。在学中よりインターンなどで記事制作を経験。卒業後、フリーライターとして、インタビューやレポート記事を執筆している。またカメラマンとしても活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/12/18 07:14 https://markezine.jp/article/detail/47350

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