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【特集】Update:BtoBマーケティングの進化を追う

進むリアル回帰、BtoBマーケティングはどう変わる?[vol.2]suswork・田岡 凌氏

 急激なオンラインシフトが進んだコロナ禍を経て、今あらゆる場で「リアル回帰」が起きている。「展示会」をはじめとしたリアル接点が復活する中、「ウェビナー」を活用する企業も依然として多い。BtoB企業各社は今、オンラインとオフラインをどのように使い分けているのだろうか? BtoB企業5社に、2024年に注力した施策や「生成AI」活用の現在地と合わせて尋ねた。

リアルはHOW、まずはWHO/WHATから整理を

Q1.リアル回帰して以降、マーケティング予算のオフライン/オンラインの比率はどのように変わりましたか?

 弊社では業界関わらず数多くのBtoB先進企業のブランディング・マーケティングを支援していますが、実際、大きな流れとしてオフラインの比率が徐々に上がっていると感じています。具体的には、従来型の展示会に加えて、オフラインイベント、ハイブリッドイベント、カンファレンスなどは増えています。

 一方で、なぜオフライン施策を実施すべきなのか、誰に何を伝えるためにどんな体験をつくるべきなのかという議論がなされずに、単なる一施策としてオフライン施策をされているケースも少なくありません。私はBtoBブランディング・マーケティングにおいて、課題啓蒙・信頼獲得・接点最大化の3つが重要と考えています。目的は何か、誰にどんな体験を作りたいのかを明確にすることが重要です。

suswork株式会社 代表取締役 田岡 凌氏
suswork株式会社 代表取締役 田岡 凌氏
京都大学卒業後、ネスレにてネスカフェドルチェグスト、ミロのブランド担当。外資系企業のブランドマーケティング責任者、マーケティングSaaSスタートアップ CMOを歴任。 現在、suswork株式会社にて、スタートアップから大企業まで数十社のマーケティング戦略支援を行う。株式会社Sales Marker外部顧問。

Q2.ウェビナー施策と展示会施策は、どのように使い分けていけば良いのでしょうか?

 ウェビナー施策・展示会施策に関わらず、WHO/WHAT=誰に何を伝えるのかを考えるべきだと捉えています。自社のコア顧客(コアターゲット)、戦略顧客(戦略ターゲット)を定義した上で、どの施策が顧客に良い接点を持てるのか? 訴求したいこと、啓蒙したいことが効果的に伝わるのかを考えるべきかと捉えています。

 たとえば、ウェビナー施策であれば、自社を認知いただいている方に、導入顧客の具体的な活用方法や成功プロセスを訴求することで興味喚起して、商談機会に繋げるというのは良い活用方法だと考えます。また展示会施策は、初期PMFする前に様々なプロダクト訴求を検証する、一定浸透したサービスのさらなる浸透を狙い地方開催の展示会や業界展示会に出展するのも有効です。HOWから考えるのでなく、WHO/WHATから整理し、最適なHOWを企画していきましょう

Q3.社会がリアルに回帰して以降、マーケティングや営業の現場で感じる変化はありますか?

 結論から言うと、それほど変化を感じません。もちろん考える施策の選択肢は広がりました。一方で、リアル回帰前も回帰後も、マーケティングや営業で起こる課題の本質は、顧客は誰か? 私たちが提供するものは何か?(カテゴリ)どんな価値があるのか? これに答えられないことだと考えています。

 この仮説がないままに、施策を実行したり、ツールを導入したり、分析をしたとしても得られるものは限られています。一点あるとすれば、リアルの選択肢が生まれる中でも、デジタルに終始し、リアルを過小評価している企業は依然として多いと思います。新しいカテゴリを啓蒙したい、企業の意思決定者からの信頼を獲得したい、導入企業でコミュニティを作りたい。大きな意識変容、態度変容を起こすときに、リアルはやり方によっては非常に大きなインパクトを発揮します。そしてそれだけマーケティングや営業に関わる人がその場から得られる気づきや学びも大きい場合があると思います。

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MarkeZine(マーケジン)
2024/11/08 09:30 https://markezine.jp/article/detail/47387

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